OG・杜けあき 「歌とは何か」を教えてくださった恩師への感謝を胸に、最高のパフォーマンス誓う

[ 2021年6月5日 05:30 ]

恩師への感謝を胸にステージに立つことを誓う杜けあき
Photo By スポニチ

 元雪組トップスターで女優の杜けあき(61)が26、27日、大阪・梅田芸術劇場でのOG公演「寺田瀧雄没後20年メモリアルコンサート」(7月1、2日=東京・Bunkamuraオーチャードホール)に出演する。

 「ベルサイユのばら」「風と共に去りぬ」の楽曲を手掛け「宝塚のモーツァルト」とも称された寺田氏。杜はサヨナラ公演「忠臣蔵」から「花に散り雪に散り」などを披露する。当時「初めて歌った時、鳥肌が立つほど感動した」という。

 宝塚音楽学校の試験官と受験生として“初対面”した2人。初見での歌唱テストで、杜は9回も歌い直しさせられ「落ちたな」と思ったが結果は合格。スターの階段を駆け上がる中、寺田氏から「歌は何やと思う?」と問われた時のやりとりが今も忘れられない。杜が「歌は心です」と答えたところ、寺田氏は「違う!音程や」。

 肩すかしを食らったような答えに「これが非常に深い言葉だったと。歌は心だけじゃ歌えない。譜面をきっちり歌うことは作曲者への礼儀。その上で初めて心を乗せ自分らしさを出すのだ、と」。恩師への感謝を胸に最高のパフォーマンスを見せる覚悟だ。(土谷 美樹)

 ◇杜 けあき(もり・けあき)本名・狩野久美子。1959年(昭34)7月26日生まれ、仙台市出身の61歳。仙台白百合学園高を経て79年、宝塚歌劇団入団。雪組配属となり88年トップスターに。平成の「ベルばら」ブームを支え93年退団後は舞台を中心に活躍。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る