「にぎやかに終わるのは自分らしい」星組・紅ゆずる(下)

[ 2019年8月3日 05:30 ]

「これからも個性豊かに頑張ってほしい」と後輩にエールを送る紅ゆずる
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 星組トップスター紅ゆずるのサヨナラ公演「GOD OF STARS―食聖―/エクレール ブリアン」が上演されている兵庫・宝塚大劇場は、連日立ち見も出るほどの大盛況だ(19日まで。東京宝塚劇場は9月6日~10月13日)。


 退団公演ながら「笑い」が起こる紅らしいラストステージで“自己チュー”な天才料理人が、裏切りに遭いながらも人として成長していく姿を描く。「私にしかできないものを、と演出の先生もおっしゃってくださった。にぎやかに終わるのは自分らしい」と笑った。2部の「エクレール…」もボレロあり、黒えんびありと王道の中にもメリハリがあり、三味線の音色をバックにしたフィナーレのダンスは斬新で個性的だ。


 2月に行われた退団会見では、他に例を見ないほど号泣し「もう一度入れるなら宝塚に」と話すほど宝塚が大好きだった。02年に入団した時は48人中47番。どんなにつらくても、グレーの制服や緑のはかまを着られるだけで幸せだったという。「こんなに長くいるとは思っていなかった。でも“これぐらいで辞めよう”とも思っていなかった。自分が粘り強かったこと、諦めが悪かったことに、今は“よかった”と思う」。ブービーから頂点に上り詰め、個性的なトップとして誰の心にも爪痕を残した。熱い紅のラストスパートはまだまだ続く。  (土谷 美樹) 

◇紅 ゆずる(くれない・ゆずる)8月17日、大阪市生まれ。東大谷高を経て02年初舞台。星組配属。08年「スカーレットピンパーネル」で新人公演初主演。11年「メイちゃんの執事」でバウホール初主演。16年11月、トップスター就任。身長1メートル73。愛称「さゆみ」

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