羽生九段 藤井新名人の7冠達成を称賛「将棋の魅力を伝えるフロントランナー」

[ 2023年6月2日 05:30 ]

名人戦第5局第2日 ( 2023年6月1日 )

羽生善治九段
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 史上2人目となる7冠を達成した藤井について、第1号の羽生善治九段(52)は「前人未到の大記録の達成は、将棋に興味を持つ子供たちに大きな夢と希望を与えます。これからも将棋の魅力を伝えるフロントランナーとしてさらなる飛躍を遂げ活躍されることを期待しています」とのコメントを日本将棋連盟を通じて出した。

 羽生の7冠達成は96年、25歳4カ月時。本社主催・第45期王将戦7番勝負で谷川浩司王将から4勝0敗で奪取した。当時は現在の全8冠と違い、まだ叡王位がなかったため全7冠。棋界のタイトル独占となった。

 プロデビューを指す四段昇段から10年1カ月での偉業達成だった。当時の羽生は終盤の不利な状況からでも多くの逆転劇を生んだ。その勝負術は「羽生マジック」と呼ばれた。全7冠独占から5カ月半後、棋聖を失冠。7冠の座に戻ることはなかった。

 一方、20歳10カ月の藤井は今回6年8カ月と大幅短縮した。対局ではペースを握ると、そのまま押し切るケースが目立つ。AIが勝率を示すグラフは「藤井曲線」といわれ、中盤から右肩上がりにきれいに描かれる。

 日本将棋連盟常務理事の森下卓九段(56)は「将棋界には時代ごとにトップがいて、王者の系譜がある。故木村義雄14世名人、故大山康晴15世名人、中原誠16世名人がいて、羽生九段の後は藤井新名人。その強さの本質は同じと思う。2人の7冠時の5歳差は羽生九段の時代になかったAIの影響が大きい」と分析している。

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