上岡龍太郎さんが弟子入り志願した浜村淳が明かす 高校生・上岡さんの直撃と引退後の再会

[ 2023年6月2日 19:59 ]

タレントの浜村淳
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 タレント浜村淳(88)が2日、スポニチの取材に応じ、この日、亡くなっていたことが発表された元タレント・上岡龍太郎さん(享年81)を悼んだ。

 “立て板に水”の関西名司会者として並び称され、ライバルと位置づけられることも多かった浜村と上岡さん。同じ京都出身で「よく顔が似ているとも言われました」と浜村は言う。実は、司会者として先に名を馳せていた浜村にあこがれ、上岡さんが弟子入り志願した過去がある。

 「当時高校生の彼が訪ねて来ましてね。弟子にしてくださいと言うんです」。直撃に驚いた浜村は、「彼は京都のジャズ喫茶で見よう見まねで司会をしていたようですが、父親が弁護士で良家の息子。大学受験をするというので、受かったらまたいらっしゃい、話をしましょうと言った」という。

 その後、上岡さんは「試験に落ちた」と報告に来た。「司会というのは決まった型がない。臨機応変にやるもので、僕には教えられることがない」と申し出を断り、ロカビリーバンド「田川元祥とリズムワゴンボーイズ」らを紹介した。

 上岡さんは同バンドのステージで司会を務めるなど活躍を場を広げ、「しゃべりが面白いと評判で、その後、リズムワゴンボーイズのドラマーだった轟盛次さん(横山フック)と、横山ノックさんとで漫画トリオを結成した」という。浜村はコメディアン・横山パンチ、司会者・上岡龍太郎の“生みの親”とも呼べそうなエピソードだが、「きっかけを作っただけで、それは大げさです」と謙遜した。

 関西を代表する司会者となった2人だが、その話芸は対照的。両者とも上品だが、庶民的で人情味にあふれ落ち着いた語り口の浜村に対し、上岡さんは舌鋒鋭く、早口で歯に衣(きぬ)着せぬ辛口発言を連発した。「彼には反骨精神があった。大学に行かなかったことで、大卒の芸能人への反発があり、それがあの毒舌を生んだんじゃないかと思う」と評した。 

 放送局などで遭遇した際、会釈はしてもゆっくり話すことはなかったという。だが上岡さんが引退後、思いもよらぬところで再会を果たした。浜村が2011年3月、大阪市内の映画館・第七芸術劇場で出演したイベント「活弁上映会」の客席に、上岡さんの姿があった。

 「私が弁士として映画・瞼の母を語ったんですが、彼を客席に見つけましてね。静かに聞いておられた。楽屋に立ち寄ることもなく帰って行かれました。彼らしいですね」。かつてあこがれた浜村の名調子を、上岡さんは引退後も小さな映画館にわざわざ出向き、耳を傾けていたのだった。

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