三谷幸喜氏 代役裏話明かす「隣にいたウエンツさんが…」 演出家目線から見た「役者・三谷幸喜」

[ 2022年12月24日 12:07 ]

三谷幸喜氏
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 脚本家の三谷幸喜氏(61)が24日、ニッポン放送「八木亜希子 LOVE&MELODY」(土曜前8・30)にゲスト出演した。

 三谷氏は作、演出を手掛けた舞台「ショウ・マスト・ゴー・オン」で自ら複数の代役を務めたことが話題になった。福岡公演では「左足筋損傷」を負った万城目充を演じる俳優の小林隆の代役を務め、東京公演でもシルビア・グラブ、浅野和之の役を代わった。さらに、女優の鈴木京香が新型コロナウイルスに感染したため、この日から4度目の代役として出演することになっている。

 パーソナリティの八木亜希子から「2018年に『江戸は燃えてるか』の時に松岡茉優ちゃんの代役が、人生で初めての代役でいらっしゃいましたかね?」と聞かれ、「厳密にいうと代役とは言えないんですよ。僕は台本持ってたから、あくまでもスタッフとして出てたわけですよ。今回は台本持たずに、全部セリフも入れて役者として役として出てますから、今回がほんとの代役」とした。

 当時の代役経験が自信になっての今回の代役なのかという質問には「違いますよ(笑)。あれはだってさ、あの時は僕がマチネを見に行って、舞台裏に終わった後に行ってみたら松岡茉優さんが具合が悪くなっちゃって夜の公演出られないってなって。時間がないと。間が1時間くらいしかないところで、もう中止にしようかと。普通中止ですよね。だけど、たまたま僕が昼公演見ていたので、それもなんかのご縁かなと思って僕がやりますよと。ちょうど僕は、舞台裏に行こうと思ってロビーを通ったら、次の公演のお客さんが地方からたくさん来られていて。地方から来られてるから旅行かばんをいっぱい預けているんですけど、その旅行かばんの山を見ちゃったから。これ中止にしたら、この人たち何も見ずに、またこのかばんを持って帰るのかと。とてもちょっと耐えられないというかやるせない気持ちになって、だったらやりましょうと。1時間じゃ当然セリフ覚えられないので、僕は台本を持って、黒子の格好をして出たというわけで」と当時の舞台裏を明かした。

 今回は「博多公演初日の前の日に小林隆さんが肉離れ起こしちゃって出られなくなって。明日の初日どうするかってなって。一晩あったので、一晩あればなんとかセリフ覚えられるかなって。その時に『江戸は燃えてるか』のことは全く頭になかったですね」と振り返った。

 「役者・三谷幸喜は演出家三谷幸喜から見てどうですか?自分にダメ出しするんですか?」とリスナーからのメールを紹介され、「(自分は)役者じゃないですからね」と苦笑しながらも、「でもね、稽古しないで出るっていうのはほんとに怖いんですよ。セリフはなんとか覚えたんですけど、きっかけとか段取りとかこのセリフの時どこに立ってなきゃいけないのかって。ずっと演出はしてたけど、そういうつもりで見てないから、いざ自分が出るとなった時にはもうパニックですよ。その割にはうまくやったと思いますよ?あの男は」と演出家目線から自画自賛して笑いを誘った。

 ただ、「絶対出てこないセリフがあって。僕の役が、舞台のスタッフとして息子がほんとはスタッフなんだけど、その日来れなくなっちゃってお父さんが代わりに来たっていう設定なんですよ。スタッフは黒い服って言われて、しょうがないから喪服を着てきたっていう設定で。『これ喪服なんです…ちょっと防虫剤臭いんですけど』というセリフがあったんだけど、防虫剤っていう言葉が出て来なくて。頭の中にないんですよ。殺虫剤じゃないし、何剤だっけな、中和剤でもないしってわかんなくなっちゃって。隣にいたウエンツ(瑛士)さんが、同じスタッフの役なんですけど『すみません、これなんの匂いですかね?』って言って、『防虫剤ですよ』って言ってくれたんですけど…それくらい出て来なくて」と苦戦したことも明かした。

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2022年12月24日のニュース