ウクライナ侵攻半年 経済制裁はロシア軍需に打撃…専門家「武器、弾薬を作るのが難しくなっている」

[ 2022年8月24日 18:32 ]

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 外交や安全保障に詳しい明海大学の小谷哲夫教授が24日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)にリモートで生出演し、ロシアによるウクライナ侵攻から半年を迎えた戦況について語った。

 ロシアはウクライナ東部ドンバス、南部クリミア、ヘルソンなどを占領。対するウクライナ軍は、14年からロシアが実効支配するクリミア半島の奪還を目指している。ロシア軍の当初のもくろみについて小谷氏は「軍事的にみればプーチン大統領の目的ははっきりしていて、ウクライナをロシアの一部にすることになってくる」と解説。「この半年で、ほぼその目的は達成できていませんので、長期化が続くのは間違いないと思います」と、ロシア側のジリ貧ぶりを指摘した。

 小谷氏によると、ロシアは当初、首都キーウを陥落させ、東部と南部を編入する青写真だったという。しかし、キーウでは激しい抵抗を受けて撤退。「そもそもキーウを陥落することができず、ウクライナ軍が正規軍として残っていますし、市民の抵抗も激しく、東部はルハンシクまでは落とすことができましたけど、ドネツクにはまだまだ進軍が進んでいませんし、このままこう着状態に入ってくると思います」と予測した。

 ロシア軍の侵攻を受け、西側諸国はロシアへ経済制裁を続けている。小谷氏は「経済制裁は効果が表れるのに時間がかかります。まだ半年ですので、1年、2年という単位で考えていくべきだと思います」と説明した。

 一方で、軍需産業には確実な打撃があるという。「武器の修理であったり、新たに武器、弾薬を作るのが難しくなっています。そういう意味でロシアとしては長期間、この状態を続けるのは難しくなっていくだろうと言えます」とした。

 侵攻の終結シナリオとして、小谷氏は「プーチン大統領が面子を保つ状態で、何らかの成果を上げたところで、“これで自分たちの軍事作戦を完了した”と言える環境がいつでき上がるかのが、今後の注目点だと思います」と見通した。

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2022年8月24日のニュース