ミュージカル女優の久野綾希子さん死去　71歳、乳がん「エビータ」「キャッツ」劇団四季などで活躍

久野綾希子さん（2020年撮影）
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　劇団四季などで活躍したミュージカル女優の久野綾希子（くの・あきこ、本名中川秀子＝なかがわ・ひでこ）さんが22日午後8時31分、乳がんのため都内の病院で死去した。71歳。大阪府出身。23日、所属事務所が発表した。葬儀、告別式は近親者で行う。喪主は夫の中川博（なかがわ・ひろし）さん。数年前に乳がんを患い、今年に入り入退院を繰り返していた。

　関係者によると、最近まで元気な様子で来年以降の仕事の話をしていたが、22日に急変。夫にみとられ、静かに息を引き取ったという。前述の関係者は「急な話で驚いている。いろいろな仕事の相談をしていたので、残念です」と話した。

　愛知県立芸術大在学中の1972年「アプローズ」のオーディションに合格し劇団四季に入団。卓越した歌唱力と演技で「ジーザス・クライスト＝スーパースター」のマリア役、「ウエストサイド物語」のマリア役、「コーラスライン」のディアナ役など数多くのミュージカルヒロインを務め、看板女優として活躍した。82年、日本初演の「エビータ」の主演に抜てきされた際には「自分の胸の中に仕事に対するプロ意識が少しずつ芽生えてきたように感じた」と、ターニングポイントになったと語っていた。

　86年に退団後は舞台を中心にドラマ、映画にも進出。94年のフジテレビ系「運命の森」に主演し、映画「釣りバカ日誌」に出演するなど話題を集めた。海外ドラマや映画の吹き替え、ナレーターとしても活動していた。

　2012年からは音楽活動にも積極的に取り組み、ライブ「My　Favorite　Songs」を毎年開催していた。

　◇久野　綾希子（くの・あきこ、本名中川秀子＝なかがわ・ひでこ）1950年（昭25）8月24日生まれ、大阪府出身。82年ミュージカル「エビータ」日本初演時に主演し、ゴールデンアロー賞演劇賞を受賞。「キャッツ」では800回以上出演した。