渡部陽一氏 民間人虐殺のロシア兵は「指揮系統が断絶…局地的な部隊が独自の判断で殺戮、略奪を」

[ 2022年4月6日 12:08 ]

 戦場カメラマンの渡部陽一氏(49)が6日、フジテレビの情報番組「めざまし8(エイト)」(月~金曜前8・00)に出演。ウクライナ国防省が首都キーウ(キエフ)近郊ブチャなどでロシア軍による民間人の大量虐殺があったと発表したことに言及した。

 ウクライナ当局はロシア軍撤退後、キーウ州の各地に入り捜査を実施し、3日までに民間人410人の遺体を確認したと発表。ゼレンスキー大統領は4日、捜査はまだ始まったばかりで、実際の犠牲者数は「現在把握しているよりもはるかに大きいと確信している」と述べた。ブチャでは300人以上が拷問を受けたり、殺害されたりしたと説明した。また、ブチャを上回る被害が同州ボロディアンカで確認されたとしている。ロシアは虐殺への関与を否定しているが、米欧メディアはロシア兵が民間人を殺害したとする住民の証言を報道している。

 番組では、ブチャの民家の地下室で両手両足を縛られた子供を含む男女18人のバラバラにされた遺体があったとする英・タイムズ紙の報道や、ロシア軍の司令官が市民の頭にTシャツをかぶせて目隠しし、銃で後頭部を撃ったとする報道などを伝えた。

 MCの谷原章介が「今回、ベラルーシ近辺で演習をしていた中にはかなりの新兵がいて、その新兵がウクライナ側に入っていた。同時に傭兵も入っているという話もありましたけれども、すごく手慣れた手口の印象があります。どういった人物がこういった行いをしていると思いますか?」と聞くと、渡部氏は、「略奪であったり自主的な殺害を繰り返すという行為、これは軍の規律では違反している行為です」と指摘。そして、「こうした状況に陥っているというのは、ロシア軍の部隊の中の指揮系統が断絶してしまっていて、それぞれの局地的な部隊が独自の判断で殺戮(さつりく)を行ったり、自らの利益のために略奪を行う。ロシア軍としてのグラウンドルールというものが存在していない。これこそが侵略戦争のまた一つの残虐な特徴だと感じます」と自身の見解を述べた。

 谷原の「今回の行いというのは、軍の上層部、もしくはプーチン大統領の命令ではないということですか?」という問いには、「局地的な指導者が、その舞台のリーダーが現場で指揮を執っているということは十二分に可能性があります」と答えた。

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2022年4月6日のニュース