トム・ホーバスHC バスケ男子代表の立て直しへ 高さより“飛び道具”で世界に挑む

[ 2022年2月12日 10:00 ]

12日に放送されるTBS「バース・デイ」はバスケットボール男子日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチに密着する(C)TBS
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 12日に放送されるTBS「バース・デイ」(土曜後5・00)は、バスケットボール女子日本代表を東京五輪銀メダルに導き、男子日本代表のヘッドコーチに就任したトム・ホーバス氏(55)のプライベートやチーム作りに独占密着した。

 東京五輪でバスケットボール女子日本代表を率いて初のメダルに導いたホーバスHC。その手腕を買われて、五輪後に男子代表のヘッドコーチとなり、チームの立て直しを任された。男子は東京五輪で世界最高峰NBAでプレーする渡辺雄太(ラプターズ)と八村塁(ウィザーズ)を擁し、歴代最強チームと呼ばれたものの3戦全敗。五輪前のW杯でも5戦全敗と世界の壁を壊すことはできなかった。

 24年のパリ五輪まで残り2年半。「結果を出さなければ終わり。結果を出すしかない」。女子から男子へ、異例の立て直しを託されたホーバスHCの最初の仕事は代表メンバーの選考。北は北海道、南は沖縄まで全国に足を運び視察を始めた。東京五輪ではスタメンの平均身長2メートル超えと高さで勝負を挑むも全敗。「高さでは勝てない」と見せつけられたホーバスHCが求めたのは「3ポイントシュート」。女子日本代表で銀メダルへと導いた“飛び道具”を男子にも応用することを心に決めていた。

 視察を重ね、チーム作りに追われる中で毎日欠かさないことがある。それは家族とのテレビ電話だ。日本で結婚し、現在家族は米国で暮らしており、単身赴任。東京五輪後に帰国予定だったが、男子代表の打診を受けて残る決断をした。「もうずーっと1人ですから。みんなの顔を見るとうれしい」と家族との時間を大切にしている。

 パリ五輪の出場圏をかけたW杯予選まで残り1カ月。「3ポイントシュート」を軸としたメンバー選考も佳境に迎えた中で視察に訪れたのは千葉ジェッツの試合。そこで注目したのはリーグで最も小柄な167センチながらも、日本人初の年俸1億円超えを果たした富樫勇樹。視察した試合では身長差20センチ以上の相手をものともせず4本の3ポイントを決めるなど、両チーム最多の26得点を奪うなどホーバスHCが目指すチーム像と合致した。

 W杯予選初戦の相手は世界屈指の高さを誇る中国。試合まで残り4日となったところで「チームキャプテン決まりました」と、東京五輪ではスタメンで最も背の高かった渡辺が務めた主将をホーバスHCはチーム一小柄な富樫に委ねた。富樫は「トムさんのバスケットを、まずしっかり理解しなくちゃいけない」と初戦を見据えた。果たしてホーバスHC率いる新生男子日本代表の初陣の結果はいかに。

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