44年前に5冠達成の中原誠十六世名人 藤井竜王にお墨付き「間違いなく現役最強」

[ 2022年2月12日 18:33 ]

中原誠十六世名人
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 将棋の第71期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社ほか主催)第4局は11・12の両日、東京都立川市の「SORANO HOTEL」で指され、挑戦者の藤井聡太竜王(19=王位、叡王、棋聖の4冠)が渡辺明王将(37=名人、棋王の3冠)に114手で勝利し、シリーズ4連勝で最年少王将&5冠が誕生した。

 1978年に当時史上2人目となる5冠を獲得した中原誠十六世名人は、藤井について「現役最強だ」とお墨付きを与えた。王将戦の対局はインターネット中継などでチェックしており「非常に強い勝ちっぷりだった」と称賛。20年7月に“現役最強”の渡辺から棋聖を奪って初タイトルを獲得した際、中原氏はスポニチ本紙の「藤井が最強か」という質問に「それはちょっと褒めすぎ」とさらなる進化を予見していた。それから2年。自身と同じ領域に達した藤井に「こんなに早く到達するとは思いもよらなかった。間違いなく現役最強です」と明言した。

 5冠の景色はこれまで4人しか見たことがない。「勝ち続ける重圧と孤独との戦い。過密スケジュールを消化するため体力的にもハードだった」と中原氏は振り返る。そうした中、自身は同じ時代に大山康晴十五世名人や米長邦雄永世棋聖がいたことで「対局を重ねて、棋力を磨くことができた」と指摘。藤井がさらなる領域に踏み込むためにもライバルが欠かせないとし「これまでは渡辺さんをはじめ年上の人に挑んできた。一方で自分の後輩との対局は経験が少ない。藤井さんの背中を追いかけてきた人たちを相手にどう対峙していくのか。5年先、10年先、“最強”の真価が問われると思う」と後進の台頭に期待を寄せた。

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2022年2月12日のニュース