すぎやまこういちさん ドラクエ曲でエンディング お別れの会、東京都交響楽団が「献奏」

[ 2021年12月12日 05:30 ]

東京・築地本願寺で営まれた、すぎやまこういちさんのお別れの会の祭壇
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 世界的人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽を手掛けた作曲家で、9月30日に敗血症性ショックのため死去したすぎやまこういちさん(享年90)のお別れの会が11日、東京・築地本願寺で開かれた。

 祭壇にはカーネーションやトルコキキョウなど1万6000本の花を使い、五線譜と音符があしらわれた。すぎやまさんが大好きだったドラクエキャラクターのドラキーやスライムのイラストも飾られた。ドラクエの生みの親で一緒にシリーズを手掛けてきたゲームデザイナーの堀井雄二氏(67)は「制作中のドラゴンクエスト12についても先生が一番やる気があった。なのに逝ってしまうなんて残念でなりません」と弔辞を読んだ。

 35年前に初めてドラクエの音楽を依頼し「クラシックだったことに驚いた。先生は“ゲームの音楽は長く聴くから、クラシックが一番聴き減りしないんだ”とおっしゃっていた。凄く納得できた」と思い出を回想。「先生の人生こそロールプレーイングゲーム(RPG)でした」と、成長し試練を乗り越えていくRPGに例えて生きざまを称えた。

 お別れの会はドラクエ発売元のスクエアエニックスが主催。関係者の部、一般の部と2部制で献花式が執り行われた。タレントの中川翔子(36)や作家の百田尚樹氏(65)ら360人が参列した関係者の部は、同社の公式YouTubeチャンネルで生中継された。東京都交響楽団が「献奏」としてドラクエの序曲と「過ぎ去りし時を求めて」を演奏すると、視聴者数は1万5000人近くに達した。

 ゲーム音楽だけでなく、フジテレビ局員時代は「ザ・ヒットパレード」の番組演出を担当し、作曲家転身後はザ・タイガースのヒット曲も数多く手掛けたすぎやまさん。会場内には、作曲したザ・ピーナッツの「恋のフーガ」のレコードジャケットや、愛用した指揮棒などが展示された。すぎやまさん作曲の「学生街の喫茶店」がヒットした「ガロ」の大野真澄(72)からは「先生のピアノ演奏で聴かせてもらったことを思い出します」と弔電が寄せられた。

 ≪多くのファンも追悼≫一般の部には多くのドラクエファンが訪れた。スライムのTシャツを着た子供や、魔法使いのコスプレをした男性ら幅広い年代が集まった。静岡県から来たという専業主婦の唐田ゆりかさん(56)は「家族でドラクエを楽しませていただいた。あの素晴らしい音楽は生涯、忘れない」と功績を称えた。参列者は白いカーネーションを献花。「音楽に捧(ささ)げる人生」と直筆メッセージが印字されたポストカードも配られた。

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2021年12月12日のニュース