松原耕二キャスター 国が存在認めた「赤木ファイル」に「第3者による再調査が絶対に必要」

[ 2021年5月9日 09:10 ]

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 TBSの松原耕二キャスターが9日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。森友学園への国有地売却に関する決裁文書の改ざんを強いられ、財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=が2018年に自殺に追い込まれたとして、妻雅子さん(50)が国側に損害賠償を求めた訴訟について言及した。

 国側は6日に赤木さんが改ざんの過程をまとめた文書「赤木ファイル」が存在していると初めて認める意見書を雅子さん側に出した。国側は意見書で、ファイルは赤木さんが個人的に作成したもので、職務上の行政文書ではないと説明。黒塗りなどのマスキングをするが、その範囲は「裁判所の訴訟指揮に真摯に対応するという観点から、できる限り狭いものとする」とした。財務省が18年6月に公表した調査報告書によると、理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官(63)が改ざんの方向性を決定づけ、理財局幹部らが安倍昭恵前首相夫人の記述を削除するなどした。

 松原氏は「今回の問題をずっと見ていて、組織と個人というのをずっと考えてしまう。つまり時の権力者を守るために違法な改ざんに手を染めてしまう」と指摘。そして、「(赤木さんの)上司の方で今も苦しんでらっしゃる方もいると思うんですが、彼らの多くが組織に守られる。でも赤木さんは苦しみ抜いて結局死においやられ、しかもファイルすら出てこないという状況だった。こういうことを見ていると官僚たちがますます官邸の方を向き、日本から正義が失われていくということを本当に感じる」と語った。

 さらに「例えば、日本がジェンダー後進国だとか次々と同じようなことを言われる。根は同じだと思う。つまり組織の論理という名のもとに個が風圧されて殺されていくというか、それが生き生きしない限り社会というのは活性化しない思う。そういう意味では今回の赤木さんの問題をこのままにして終わらせてはいけない。第3者による再調査が絶対に必要だと思う」と自身の考えを述べた。

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2021年5月9日のニュース