TBS篠原梨菜アナ 東大が人生変えた“人に対する興味”社交的に「ドラゴン桜」から影響も“縁”に感慨

[ 2021年5月9日 07:15 ]

日曜劇場「ドラゴン桜」制作発表の司会を務めた篠原梨菜アナウンサー(C)TBS
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 TBSの篠原梨菜アナウンサー(24)は同局の現役女性アナウンサー唯一の東大出身。東大合格を目指す生徒たちの奮闘を描く日曜劇場「ドラゴン桜」(日曜後9・00)の制作発表の司会も任された。「私個人としては、東大に入っていなかったらアナウンサーにはなっていなかったので、その意味で東大に入って人生が変わったと言えると思います」という篠原アナに16年前の前作から受けた影響や東大受験について聞いた。

 俳優の阿部寛(56)が主演を務め、2005年7月期に金曜ドラマ枠でヒットした学園ドラマの16年ぶり新シリーズ。前作は、経営難の三流私立校・龍山高校を舞台に、元暴走族の弁護士・桜木建二(阿部)が落ちこぼれの生徒たちを東大合格へ導いた。今回の原作は、18年から週刊漫画誌「モーニング」(講談社)に連載されていた三田紀房氏の「ドラゴン桜2」。前作の原作「ドラゴン桜」(03~07年連載)の15年後を描くが、現代の日曜劇場にふさわしいエッセンスを盛り込んだドラマオリジナルの物語が展開される。

 阿部が伝説の弁護士・桜木役に再び挑戦。女優の長澤まさみ(33)が桜木の教え子・水野直美役を続投。水野は一浪して東大に合格し、弁護士資格を取得。新シリーズはドラマオリジナルの舞台・龍海学園の教頭・高原浩之(及川光博)が学園再建のため、桜木と水野を招き、幕を開けた。

 篠原アナは4月14日に横浜・緑山スタジオで行われた制作発表の司会を担当。前作オンエア時は小学3年ながら、家族と一緒にリアルタイム視聴。「まだ大学受験のことはピンと来ない年齢でしたが、勉強することや努力することは『カッコいいものなんだ』『キラキラしたものなんだ』と好印象を抱けた、自分にとっては本当に思い出深いドラマです。その後、実際に憧れの東大に合格できて、入社3年目で桜木先生が帰ってくることになって。制作発表の司会を務めさせていただいて『あの“ドラゴン桜”の制作発表なんだ』と心にズッシリ来るものがありました」とドラマとの縁を感慨深げに振り返った。

 “東大つながり”からの起用となったが、ドラマの制作発表の単独司会も初挑戦。「その上、『ドラゴン桜』ですし、日曜劇場ですし、色々な要素が重なって、緊張はマックスでした」。阿部との質疑応答中、篠原アナが「わたくし自身、実は東大出身でして。子どもの頃に前作を見て、東大に憧れました」と切り出すと、阿部は「影響は受けましたか?その時は何歳だったんですか?」と興味津々に“逆質問”した。

 篠原アナが「はい。桜木先生にも憧れていました。小学校低学年だったので、自分が東大を受けるとは思っていなかったんですが、勉強することはカッコいいことなんだとドラマを見て思いました」と打ち明けると、阿部は「前作が終わってからですが、勉強しなかったお子さんがドラマを見てハーバード大とか、いい大学に入ったとか、芸能界の何人かの方から言われまして。そんなにドラマが影響していたのかと後々知りました。今も(篠原アナのように)そう言ってくださる人がいるから、それが何よりもうれしいですね」と喜んだ。

 篠原アナも「阿部さんが逆質問してくださったのもありがたかったですし、登壇されたキャストの皆さんが温かく応じてくださったおかげで、本番中は大汗をかきながらも何とか無事に、楽しく終えることができました」と振り返り、感謝した。

 小中学校は地元・神奈川県内の公立に通い、高校は東大合格者も多く輩出している東京学芸大学附属高校。「高校2年の時に志望校を東大に決めました。それまでは東大を目指すとは思っていなかったんですが、最終的には『面白い人がいっぱいいるんじゃないか』『そういう人たちに会ってみたい』という“人に対する興味”が一番大きな決め手になったと思います」。ただ、数学が大の苦手。「高校1年の時は定期テストすら赤点スレスレという有様でした。数学の先生からすると、東大は無理というレベルだったと思います」。高校2年の夏に基礎から猛勉強し、数学の点数を底上げ。総合得点勝負に持ち込めた。

 「勉強はカッコいい」というイメージ以外にも、実際の勉強法も具体的に「ドラゴン桜」の影響を受けた。

 前作第3話、桜木は「数学とはある意味、スポーツ。公式を反射的に思い出し、問題という球を打ち返す」と卓球の素振りをしながら出題。生徒たちも卓球の素振りをしながら答えた。「あのシーンが凄く印象に残っていて。傍から見ると変なんですが、私も暗記ものは部屋の中を歩き回りながら覚えていました。校庭を競歩しながら数学の公式を覚えるシーンもありましたが、じっと座っていると集中力が切れてしまうので、理にかなっているんじゃないでしょうか。国語の先生(寺田農)は古文の教材に漫画を使いましたが、私も漫画で古文と世界史を勉強しました」

 文科三類に入学し、法学部を卒業。19年4月、TBSに入社した。

 「私個人としては、東大に入っていなかったらアナウンサーにはなっていなかったので、その意味で東大に入って人生が変わったと言えると思います。元々あまり社交的なタイプじゃなかったんですが、“人に対する興味”で目指した東大に通ってみて、やっぱり『こんなに物事を突き詰めて考えている人がいるんだ』と実感しました。例えば“(名探偵)コナン君のネクタイ(蝶ネクタイ型変声機=ネクタイの裏にあるダイヤルを調節し、変幻自在に声色を変えられるアイテム)”みたいな、しゃべると同時に別の声になる機械の開発に取り組む人が同学年にいたり。そういう人たちと大学生のうちに関われるのは貴重なことなので、もっと社交的になった方が楽しいかなと。そして、自分は人の話を聞くのが好きなんだと分かって、仕事にしてみたいと思うようになりました。小さい頃からアナウンサーに憧れはあったんですが、東大に入って初めて現実的な選択肢になったんです」

 前作、落ちこぼれの生徒たちに対する桜木のメッセージは「騙されずに生きたければ、勉強しろ!バカとブスこそ東大に行け!」と最初こそ過激だったが、受検勉強は自分を変えるためのきっかけの1つ。「入学試験の問題にはな、正解は常に1つしかない。だがな、人生は違う。人生には正解はいくつもある」と何かに打ち込むことの大切さを説いた。

 今年は東大の全合格者に占める女子の割合が過去最高の21・1%になったが、依然として少なく、篠原アナも珍しがられることもあるが「受検勉強は頑張りましたが、それはそれ。自分が何かを成したわけでもありません。もっと広い視野を持った人になりたいと思っています」と肝に命じている。

 入社3年目を迎え、現在は「サンデー・ジャポン」(日曜前9・54)リポーター、「はやドキ!」(月~金曜前4・25)の木曜、「あさチャン!」(月~金曜前6・00)の月・火曜、「ラヴィット!」(月~金曜前8・00)内ニュース(隔週金曜)、TBSラジオ「土曜朝6時 木梨の会。」(土曜前6・00)などを担当。人気クイズ番組「東大王」(水曜後7・00)にも度々ゲスト解答者として出演し“本領”を発揮している。

 今後については「まずは視聴者の皆さんに親近感を持っていただいて、情報をしっかり伝えるという基本を確実なものにしていきたいです。『ドラゴン桜』もそうですが、時間が経つと、社会の仕組みや人の考え方も変わっていって、新型コロナウイルスのような予測できない事態も起こります。そういう変化に柔軟に対応できるアナウンサーになりたいですし、自分の視点を求められる場合は今の若いポジションなりの伝え方も工夫していきたいです。報道・バラエティーとジャンルにとらわれずに活動していけたらと思っています」と展望。さらなる活躍が期待される。

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