「エール」裕一を救う天才作詞家は劇作家・ノゾエ征爾 朝ドラ初出演「至福なヒトトキ」文筆家オーラで起用

[ 2020年6月1日 08:15 ]

連続テレビ小説「エール」で朝ドラ初出演を果たしたノゾエ征爾(C)NHK
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 劇団「はえぎわ」を主宰する劇作家・演出家で俳優のノゾエ征爾(せいじ=44)が1日に放送されたNHK連続テレビ小説「エール」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)第46話で初登場。うまくいかない主人公の作曲家人生を大きく変える売れっ子天才作詞家役で、朝ドラ初出演を果たした。

 俳優の窪田正孝(31)が主演を務める朝ドラ通算102作目。男性主演は2014年後期「マッサン」の玉山鉄二(40)以来、約6年ぶりとなる。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909~1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・関内音(二階堂ふみ)の夫婦愛を描く。

 ノゾエが演じるのは、作詞家・高梨一太郎。第46話の終盤、裕一(窪田)は同期・木枯(野田洋次郎)に呼ばれ、カフェー「パピヨン」へ。そこには、木枯のヒット曲「酒は涙か溜息か」を作詞した高梨一太郎の姿も。「あなたが古山さん。やっとお目にかかれました」とうれしそうな高梨に、裕一は驚く。高梨との出会いが、裕一の暗い作曲家人生を大きく変えることになる。

 ノゾエは「普段は作家でもある手前、日常のままにいることを心掛けておりましたが、現場の楽しいエネルギーに後押しされたか、気が付いたらテンションが上がっておりました。根っこから清々しい俳優陣とスタッフさんたち。わずかな時間でしたが、こうして素敵な作品ができていくのだなと、その源に触れることができた気がして、至福なヒトトキでした」と充実の撮影を振り返った。

 1999年、「はえぎわ」を始動。2012年には、第23回はえぎわ公演「○○トアル風景」の脚本が“演劇界の芥川賞”と呼ばれる第56回岸田國士戯曲賞に輝いた。昨年はNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」に出演し、NHKアナウンサー・松内則三役。ラジオ実況が禁止された1932年ロサンゼルス五輪でNHKアナウンサー・河西三省(トータス松本)と一緒に「実感放送」を行った。

 制作統括の土屋勝裕チーフプロデューサーは「いつもご自身の舞台の脚本執筆と演出でとてもお忙しいノゾエ征爾さんは、時々出演されるドラマでは、ちょっと出てくるだけでも『誰?この人』と気になる存在でした。今回も登場シーンは少ないのですが、売れっ子天才作詞家という役柄で、その雰囲気を出せる方に演じていただきたいと思い、ノゾエさんにオファーしました。ノゾエさんの持っている文筆家オーラが、今回の役柄にはピッタリだったと思います」と起用理由を説明した。

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2020年6月1日のニュース