岡江久美子さん急死…コロナ3日で重症化、夫・大和田獏悲痛「最期まで奇麗な顔だった」

[ 2020年4月24日 05:30 ]

15年、スポニチ本紙インタビューで笑顔を見せる岡江久美子さん
Photo By スポニチ

 ドラマや情報番組の司会などで活躍し“朝の顔”として親しまれた女優の岡江久美子(おかえ・くみこ、本名大和田久美子=おおわだ・くみこ)さんが23日午前5時20分、新型コロナウイルスによる肺炎のため東京都内の大学病院で死去した。63歳。東京都出身。葬儀・告別式は未定。後日「お別れの会」を実施する予定。発熱からわずか3日で容体が急変しての突然の訃報。夫で俳優の大和田獏(69)は「悔しくて悔しくて」とコメントを出した。

 突然の訃報に日本中が悲しみに包まれた。新型コロナウイルス感染による入院の情報もなく著名人が死去するのは初めて。発熱から一気に重篤化して岡江さんは旅立った。

 感染拡大防止の観点から大和田は入院後の岡江さんと面会できず、声を聞くこともできなかった。関係者によると、愛妻の死後、顔を見ることだけはでき周囲に「最期まで奇麗な顔だった」と気丈に報告したという。大和田は娘で女優の大和田美帆(36)との連名で「今はただ残念で信じがたく、悔しくて悔しくて他は何も考えられない状態です」とのコメントを出した。

 所属事務所によると、岡江さんは今月3日に発熱し、診察を受けた医師から4~5日様子を見るように言われ、自宅待機していた。だが、6日朝になって容体が急変し、都内の大学病院に救急搬送され、そのまま緊急入院。当日に大和田とLINEをしたのが夫婦の最後のやりとりとなった。集中治療室(ICU)で人工呼吸器を装着され、その後のPCR検査で陽性と判明。その後、一度も意識が回復することなく、息を引き取った。

 昨年末に初期の乳がんを手術。今年1月末から2月半ばまで放射線治療を受けており、免疫力が低下したことが重症化につながった可能性があるという。知人は「発熱があった時、すぐにPCR検査をしてもらえていれば重症化しないで済んだかもしれない」と悔しそうに話した。

 所属事務所によると、感染経路は不明で、家族は濃厚接触には当たらないという。陽性の発表がなかったのは、コロナ禍で直近の仕事がなく「元気になったタイミングで発表すればいいと思っていた」(関係者)。

 岡江さんは1975年にTBSドラマ「お美津」のヒロインでデビュー。NHK総合のクイズ番組「連想ゲーム」のレギュラー解答者としても人気に。82年に当時、女優としては珍しいオールヌードの写真集「華やかな自転」を出版するなど幅広い活動も見せた。「連想ゲーム」で共演した大和田とは83年に結婚した。

 96年から2014年までの17年半にわたりTBS系の朝の情報番組「はなまるマーケット」でタレントの薬丸裕英とともに総合司会を務め、病欠も一度もなく“朝の顔”として活躍。98年から09年までの11年間は大和田もテレビ朝日の情報番組「ワイド!スクランブル」で司会を担当、夫婦が帯番組の司会を時間差で務めるのは日本で初と話題になった。

 突然愛妻を奪われた大和田は「皆様、コロナウイルスは大変恐ろしいです。どうかくれぐれもお気をつけください」とつづった。

 ◇岡江さんの経過◇
 19年末に初期の乳がんで手術。
 1月末~2月半ばに放射線治療
 4月3日 微熱。経過観察
 4月6日朝 容体急変。ICUへ。PCR検査で陽性判明
 4月23日 肺炎のため死去

 ◆岡江 久美子(おかえ・くみこ)1956年(昭31)8月23日、東京生まれ。75年、高校3年時にTBSドラマ「お美津」のヒロインで女優デビュー。77年NHK「花神」で高杉晋作の妻を好演し、話題に。清純派として活躍する一方、78年からNHKの看板クイズ番組「連想ゲーム」で解答者を務めた。96年TBS「はなまるマーケット」で朝の顔として主婦層から支持を集めた。自然な司会ぶりや子育てとの両立が評価され06年度「放送ウーマン賞」を受賞。マルチな才能を発揮し82年にはジャズ歌手としてもデビュー。料理も「プロ級」だった。血液型AB。

続きを表示

この記事のフォト

2020年4月24日のニュース