大和田獏 岡江さんと最期までおしどり夫婦 突然訪れた別れ…対面は亡くなった後

[ 2020年4月24日 05:30 ]

83年1月、婚約発表をする岡江さんと大和田
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 新型コロナウイルスによる肺炎のため63歳で急逝した岡江久美子さん。夫の大和田獏(69)とは、芸能界を代表するおしどり夫婦として知られた。感染防止のため病院での面会は制限され、大和田は最愛の妻をみとることができなかった。

 83年の結婚当時、岡江さんは「和気あいあいの友達夫婦に」と理想を掲げていた。その通りのおしどり夫婦を最期まで貫いた。ドラマ共演で出会い、78年からNHKの人気クイズ番組「連想ゲーム」で仲を深めた2人。性格は好対照だった。

 岡江さんは元気でサバサバ、大和田は落ち着いていて穏やか。よくしゃべる妻と聞き上手な夫、慌てん坊の妻としっかりした夫。夫婦げんかになると、岡江さんは家の窓を開けて「みなさーん、大和田獏が岡江久美子をいじめてまーす!」と叫んだという。おちゃめさと頭の良さに大和田は脱帽。騒ぎにならないよう、折れるしかなかった。

 テレビでは“朝の顔”と“昼の顔”だった。岡江さんは96~14年にTBSの朝の情報番組「はなまるマーケット」で、大和田は98~09年にテレビ朝日の昼の情報番組「ワイド!スクランブル」で司会。視聴率を争うライバルながら、家事は2人で分担し仕事との両立を支え合った。

 2015年のスポニチ本紙インタビューで、岡江さんは「今は夫婦というより同志のようなもんですね」と明かしている。映画やペットなど趣味嗜好(しこう)が合うことが円満の秘けつだった。

 そんな2人に訪れた突然の別れ。感染者が入院する医療機関では大幅に面会が制限され、付き添うことはできない。容体が急変して死に至ると、家族がみとることは難しい。

 先月29日に他界した志村けんさんの場合も同様で、遺族が対面できないまま荼毘(だび)に付された。現在は遺族が故人と対面できる透過性の納体袋も開発された。大和田は亡くなった後の岡江さんと対面し、顔を見ることができたという。

 おしどり夫婦が迎える別れとしては、あまりにも悲しい最期。自宅では報道陣に「そっとしておいていただければ」とひと言だけ対応した。葬儀は未定で、関係者は「他のコロナで亡くなられた方たちと同様、荼毘に付された後で自宅に戻ってくると思います」と話した。

 《業界屈指の芸能一家》「大和田ファミリー」は業界屈指の芸能一家として知られてきた。大和田獏の兄が俳優大和田伸也(72)でその妻が女優五大路子(67)。両家の子供たちもそれぞれ芸能活動をしている。ドラマ共演などは少ないが、クイズ番組やトーク番組などで獏と長女の美帆(36)、伸也と長男の悠太(38)の「ファミリー」4人が共演を果たした。

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