赤星憲広氏　3回無死から巨人・梶谷にバント決められた阪神バッテリー　もっと1点を大事にしてほしかった

セ・リーグ   阪神6－9巨人 （ 2023年7月27日    甲子園 ）

赤星憲広氏
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　【赤星憲広　視点】バントを巡る攻防が気になった。巨人の3回無死一、二塁で、才木―梅野のバッテリーは、梶谷に初球真っすぐで簡単にバントを決められた。初回無死一塁でバントの構えを一度も見せなかったのは、おそらく才木からバントを決められる確率は高くないと判断したからだろう。

　現役時代の経験で言えば、スライダーなど横の変化の方がやりやすく、縦の変化の方が難しかった。才木のフォークボールはやりづらい。初球は様子を見るなど巨人の出方を見て、バントの雰囲気を感じたら、一塁手・大山はもっとチャージできた。梶谷がヒーローインタビューで「バントには自信がない」と自ら明かしていた。二塁走者も投手の戸郷だったことを考えれば、三塁でアウトにできた可能性もあった。

　絶対にさせたくなかった1死二、三塁をあっさりつくられ、秋広には先制打。流れを考えれば決して偶然ではないと思う。ミスと呼べるものではないが、非常にもったいなかった。戸郷との対戦を考えれば、もっと1点を、もっと1球を大事にしてほしかった。

　28日からは首位を奪われた広島を本拠地で迎え撃つ。いまの広島はターリー、島内、矢崎の救援陣が万全で、栗林も加わり、逆転勝ちなど接戦を勝ちきれている。阪神は1点でもリードして終盤に入ることで、勝ちパターンの救援陣を出せない展開にしたい。

　岡田監督が阪神をリーグ優勝に導いた05年と今年の広島の戦い方が重なる。ジェフ・ウイリアムス、藤川球児、久保田智之の「JFK」が7回から1イニングずつ抑えたので、野手陣は6回までにリードしていれば良かった。新井監督とは同世代。08年から阪神に加入し、チームメートとして岡田監督の下で一緒にプレーした。まったくスタイルの違う！？両監督のベンチワークに注目したいし、楽しみにしている。（本紙評論家）