日替わりヒーロー続々!10連勝で首位浮上の広島 会沢が攻守で存在感 新井監督「いい仕事をしてくれる」

[ 2023年7月28日 05:01 ]

セ・リーグ   広島4-1ヤクルト ( 2023年7月27日    マツダ )

<広・ヤ>ヒーローインタビューを終えポーズをとる(左から)会沢、床田、堂林 (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 広島は27日のヤクルト戦を4―1で制し、4月17日以来となる単独首位に浮上した。4試合ぶりに先発マスクをかぶった会沢翼捕手(35)が先制打に決勝打と2打点を挙げて躍動。先発・床田寛樹投手(28)は試合中に左手人さし指がつるアクシデントに見舞われながらも7回1/3を1失点と好投し、リーグトップタイで自己最多となる9勝目を手にし、防御率1・85はリーグ単独トップに躍り出た。チームは19年5月以来4年ぶりの10連勝。破竹の勢いを保ったまま、28日から敵地で阪神との首位攻防戦に臨む。

 新井カープが、4試合にわたってゲーム差なしのまま併走を続けた虎のしっぽを捉え、追い抜いた。チームを破竹の10連勝に導いたのは会沢のバットだ。

 「もう必死でした。(今日)2回目のチャンスでも監督が使ってくれたので、その気持ちに応えました」

 同点で迎えた7回1死三塁。カウント0―2から、石山の外角スライダーに体勢を崩されながらも食らいついた。詰まらされながらも中前へ落とし、値千金の決勝打とした。一塁ベース上には、照れくさそうに笑みを浮かべる背番号27がいた。

 この日の1回目のチャンスだった0―0の5回無死二塁でも、石川の高めカットボールを中前に運んでいた。先制打に決勝打と2安打2打点の躍動。先発・床田とは6月16日西武戦以来のバッテリーとなったが、8回途中まで1失点と、守備面でもリードが光った。

 昨季は79試合で先発マスクをかぶった35歳のベテランも、今季は主戦マスクを坂倉に譲って、これが20試合目の先発だった。4試合ぶりに先発起用した新井監督も「先発でマスクをかぶる機会は昨年に比べて少なくなっているが」と前置きした上で「リードも素晴らしいし、いい仕事をしてくれている。勝負強い、彼らしい打撃を見せてくれた」と期待通りの働きを見せたベテランに目を細めた。

 19年5月以来の10連勝。その原動力となっているのは「日替わりヒーロー」の存在だ。10連勝期間中は、毎試合、違う選手が決勝打を放って勝利を積み重ねている。その一人であるこの日のヒーローは「心を一つにして戦っている。強い時は日替わりヒーローが多いですし、チームはすごくいい雰囲気なので、続けていきたい」と言葉に力を込めた。指揮官も「今日は“俺がやるぞ”と選手全員の気持ちがこちらにも伝わる。そういう気持ちが今の好調につながっている」とチームの士気の高さに、手応えを感じ取っている。

 28日からは首位チームとして2位・阪神との首位攻防3連戦に臨むが、「(首位でも)何も意識していない。まだ50試合以上あるので、どこが相手だろうが一戦一戦頑張りたい」と新井監督。これまで同様の全員野球で、目の前の相手を打ち砕くのみだ。 (長谷川 凡記)

 【データ】広島の10連勝は19年5月の11連勝以来4年ぶり。首位の阪神が敗れたため、4月17日以来101日ぶりの首位浮上。6月4、5日時点の最大9ゲーム差を逆転。7月22日から4試合続いたゲーム差なし、勝率3厘差の首位攻防に勝った。また、今季マツダでのヤクルト戦は開幕から9戦全勝。09年の開場から、マツダでの同一シーズン同一カード9連勝は、18年巨人戦の開幕9連勝に並ぶ最長となった。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年7月28日のニュース