エンゼルス・大谷 トレード消滅!GMが明言 プレーオフへ本気!緊急補強

[ 2023年7月28日 02:30 ]

タイガース戦が悪天候のため中止となり、引き揚げるエンゼルス・大谷
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 エンゼルスが大谷翔平投手(29)をトレード候補から外したと26日(日本時間27日)、米メディアが相次いで伝え、27日(同28日)にペリー・ミナシアンGM(43)も米東部時間8月1日午後6時(同2日午前7時)のトレード期限までの移籍を否定した。ポストシーズン(PS)進出を目指してトレード市場の「買い手」に回ることを決断し、すぐさま投手陣を補強。9年ぶりの大舞台へ、勝負手に打って出た。

 第1報は米国で最も権威のある専門誌「スポーツ・イラストレーテッド」の看板記者トム・ベルデューチ氏。「エンゼルスは大谷をトレード市場から外し、PS進出を目指す」と大見出しで報じた。

 情報筋の話としてエ軍は複数球団からのトレード打診についてこの2日間で協議し、26日夕方(日本時間27日)に大谷の保持と今夏のトレード市場で「買い手」となることを決定したという。ニューヨーク・ポスト紙も「アート・モレノ・オーナーは今シーズンを完走することを決めた。PSを目指す最善の方法は引き算ではなく足し算だ」という球団関係者の言葉を伝えた。

 その他、多くの米メディアも追随し、エ軍は報道を裏付けるようにホワイトソックスとのトレードを成立させた。若手有望株のマイナー2選手を放出し、2桁勝利4度の通算59勝右腕ジオリトと通算216試合登板の救援右腕ロペスを獲得。さらにナショナルズの強打の三塁手カンデラリオの獲得も交渉中と伝えられ、今後も期限まで先発投手と救援投手を中心に補強に全力を注いでいくという。

 チームは後半戦開幕の14日時点で最大8あった貯金を使い切り借金2と崖っ縁に立たされていた。今季終了後にFAとなる大谷について、他球団からトレードの打診が相次いでいた。だが直近9試合は7勝2敗で大谷のトレードに元々否定的だったモレノ・オーナーの決断をさらに後押ししたとみられる。左手有鉤(ゆうこう)骨骨折で離脱した主砲トラウトが、早ければ8月中旬にも復帰できる可能性が出てきたことも今後へ向け好材料だ。

 21日の登板後に大谷は「このチームでプレーオフに行きたい」と6年目で自身初のPS進出への決意を語った。PSへ進むワイルドカード圏内のブルージェイズまで4ゲーム差。全米で加速した“トレード狂騒曲”は終焉(しゅうえん)を迎え、ペリー・ミナシアンGMは27日(同28日)に大谷の今夏のトレードはないことを明言したが、28日(同29日)からはそのブ軍との直接対決3連戦という勝負どころを迎える。FAとなる3カ月後には去就問題の再燃は必至。それでもチームは、大谷と今季を戦い抜くことをまず決断した。(柳原 直之)

 ≪米メディア分かれる賛否≫歴史上最高のトレードチップともいえる大谷を握りしめたまま買い手に回る決断に、米メディアでは賛否の声が分かれた。トレード放出による再建を提案していたベン・バーランダー氏は「この決断を支持する」と表明。一方でトレード期限にはまだ時間があり、ブルージェイズ3連戦の結果次第では状況はまた変わる。米スポーツサイト「スポーツキーダ」は「組織として大きなギャンブルに出た」と報じ、これでPSを逃し、オフに大谷も逃せば、チームの再建は大きく遅れる可能性を指摘した。

 ≪予定1日前倒し 28日のタイガース戦に登板≫大谷は当初の予定を1日前倒し、27日(日本時間28日午前2時10分開始)のタイガース戦に先発登板することが決まった。26日(同27日)のタ軍戦が雨天順延になり27日はダブルヘッダー開催に決定。1日で2試合にDHで出場した後にトロントへ移動し、当初予定していた28日(同29日)のブルージェイズ戦で登板することは負担が大きいと判断した。フィル・ネビン監督は「これは翔平の提案。自分の体を熟知している」と説明した。屋内で調整した大谷は、練習後は水原一平通訳らと談笑しながらバスに乗り込んだ。

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