「魚雷が全速力で前進していく」 米ベテラン記者がモレノオーナーのエンゼルスを描写

[ 2023年7月28日 08:59 ]

<タイガース・エンゼルス>ダブルヘッダー第1試合。メジャー初完封勝利の大谷はナインとハイタッチ(撮影・沢田 明徳) 
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 スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が27日(日本時間28日)、大谷翔平をトレードせず、ポストシーズン出場を目指して買い手に転じ、ベテラン2投手を補強したアート・モレノオーナーのエンゼルスについて「魚雷が全速力で前進していく」と描写している。

 ホワイトソックスから獲得したルーカス・ジオリトとレイナルド・ロペス両投手はスターではないが、有能なベテラン選手たちだ。彼らをレンタルするために、エンゼルスの若手有望株ランキングで2位のエドガー・クェロ捕手と3位のカイ・ブッシュ投手を差し出した。

 クェロについてはローガン・オハピーがいるから放出しても良いのかもしれないが、ブッシュは21年に2巡指名した198センチの長身左腕だ。もったいないと思うが、ホワイトソックスが他球団のオファーを検討せずに即答する、一撃必殺のオファーを出す必要があった。エンゼルスは6月エドュアルド・エスコバル内野手をメッツから獲得した時も、球団の有望株ランキングトップ20に入る投手を2人差し出している。

 米データサイト「ファングラフス」によるとエンゼルスのプレーオフ出場へのオッズは17%にすぎない。近視眼的と批判されても仕方がないが、なりふり構わず補強に動いている。真剣なのはよくわかる。モレノオーナーはぜいたく税の支払いを嫌ってきたのに、今回とうとう払う羽目になった。ジオリトとロペス両投手の今季の残りのサラリーは合わせて約500万ドルに上り、23年のサラリー総額が基準額を超えてしまうからだ。

 とはいえローゼンタール記者は、これでモレノオーナーはオフに大谷を引き留められるのだろうかと疑問符を付ける。

 勝ちたい大谷はフリーエージェントの資格を得たら、獲得に手を挙げたチームの戦力を、メジャーだけでなく、マイナーのシステムも含めて検討するだろう。若手をトレードし続けるエンゼルスのファームは明らかに弱体化している。それでも大谷がエンゼルスを選んだらびっくりするとした。エンゼルスがポストシーズンに勝ち進むチャンスは大きくないが、大谷と再契約できる可能性はもっと低い。それでもモレノオーナーは大きな賭けに出た。

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