大谷翔平 メジャー初完封 タイガースを1安打に抑え8奪三振9勝目

[ 2023年7月28日 04:20 ]

ア・リーグ   エンゼルス6-0タイガース ( 2023年7月27日    デトロイト )

<エンゼルス-タイガース>完封勝利を収め、捕手のウォーラクと共にホッとした表情を浮かべる大谷(AP)
Photo By AP

 エンゼルスの大谷翔平投手(29)が27日(同28日)、敵地デトロイトの対タイガースのダブルヘッダー第1戦に「2番・投手兼DH」で登板。タイガース打線を1安打に抑え、メジャーでの初完封を飾った。8奪三振、3四球で今季9勝目(5敗)となった。メジャーでの完投も初めてだった。

 4回までタイガース打線を無安打に沈黙させ、毎回の6三振。5回、4番カーペンターに中前打を打たれたが後続を併殺に切って取った。6回には四球を出したが、これも併殺で切り抜けた。今季最多タイとなる炎の111球。気温30度の中の熱投に最後は疲れた感じもあったが踏ん張り切った。ウイニングボールを受け取り、グラブにしまってナインに肩を叩かれるとホッとした表情を見せた。

 大谷は当初、28日(同29日)の敵地ブルージェイズ戦に登板予定だったが、移動などを考慮して、1日前倒ししての先発登板。フィル・ネビン監督によれば、これは大谷からの提案とのこと。26日の試合前時点でワイルドカード圏内のブルージェイズまで3・5ゲーム差。大谷が直接対決に登板して直接叩くのがベストだが、DH出場のダブルヘッダーから移動して先発となると、負担が大きいと判断。ブルージェイズ3連戦にベストの状態で出場することを優先した。

 指揮官は大谷に全幅の信頼を寄せており、「(ブルージェイズとの直接対決だけではなく)全ての試合が大事。我々はベストは大谷翔平を必要としている。彼は自分の体のことを誰よりも知っている」とエースの中5日の志願の登板にゴーサインを出した。

 責任感の強い大谷。ダブルヘッダーの第2試合のことを考慮して、自分が行けるところまで行く覚悟だったことは想像に難くない。この日は直球も走っており、99マイル(約159.3キロ)の火の出るようなフォーシームが要所で決まった。遊び球も少なく、効率よくタイガース打線を手玉に取っていった。エンゼルス首脳陣は大谷を全面的に信頼し、ブルペンでは誰も準備させなかった。

 打の方では見逃し三振、中飛、左飛、空振り三振、二ゴロ。2試合連続でヒットなしに終わったが、この日は“投手・大谷”を見る日だったということだろう。

 メジャー6年目での初完投、初完封。大谷の9回登板はメジャー移籍後初めて。また、完封勝利は日本ハム時代のNPB最終登板の17年10月4日のオリックス戦(札幌ドーム)以来、6年ぶりとなった。

 ミナシアンGMはこの日、報道陣を集めて大谷の今夏のトレードがないことを改めて明言。その上で「彼は毎晩、球場に来て準備をし、作業し、二刀流の素晴らしいパフォーマンスを続けている。素晴らしいチームメイトだ。我々は彼との将来を望んでいる。ここは彼がプレーするのに最適な場所だと感じている。長くここでプレーすべきだと思っている」と、改めて大谷への変わらぬ“愛”を強調し、「ウィー・ラブ・ショウヘイ!アイ・ラブ・ショウヘイ!」と連呼した。“残留決定”後の初登板で見る者全てを驚かす投球を披露した大谷。ミナシアンGMの“愛情”もさらに深まったことだろう。チームは3連勝。貯金は4となった。

 また、エンゼルスは大谷の“保持”と同時に“買い手”となることを決定。早速、ホワイトソックスの先発右腕、ルーカス・ジオリト投手と中継ぎのレイナルド・ロペス投手を獲得した。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年7月28日のニュース