阪神・高寺 大きな一歩!高卒2年目が55年ぶり前半戦先発デビュー 初昇格即初先発し四球で初出塁

[ 2022年6月9日 05:30 ]

交流戦   阪神0ー1ソフトバンク ( 2022年6月8日    ペイペイD )

<ソ・神>3回、プロ初打席の阪神・高寺(奥)は二ゴロに倒れる(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 1点劣勢の7回2死二塁。同点の好機で阪神・高寺は3度目の打席に立った。直前で二塁打した糸井に代走・熊谷が出ても、代打はない。「ファームから調子がいいから使っている。代えるならスタメンから使っていない」。矢野監督が言い切った。藤井の150キロ超の速球とフォークを見極めて四球。プロ初出塁を記録した。

 高卒2年目の19歳。初昇格し、「特に気負うことなく、平常心でいつも通りのプレーを心がけたい。チームに貢献できるように」と誓った。デビュー戦は「8番・二塁」での先発。2軍で培ってきたものを初舞台で出すことだけに集中した。

 最初から難敵の東浜に立ち向かった。3回先頭で迎えたプロ初打席。果敢に初球シンカーを打ちに出て二ゴロ。5回1死でも追い込まれてから同じシンカーに必死に食らいつき、一ゴロだった。二塁守備では4度の打球処理をこなし、9回1死で代打を送られた。

 シーズン終盤に経験を積ませるための起用とは違う。まだ6月。戦力と見込まれての登用だ。球団高卒2年目以内で前半戦のうちにプロ初出場を先発で飾るのは、新人の西村公一が67年5月15日の巨人戦に7番左翼で出場して以来55年ぶり。

 敗戦後は報道対応がなく、矢野監督が目を細めた。「落ち着いてやってたんじゃないの。自分が初出場の時はこんなに落ち着いてプレーできたのかなと思う。高卒2年目とは思えない感じで初球から打ちにいったり、来たゴロもしっかりさばけていたり。大したもんじゃないかな」。堂々の第一歩だった。(石崎 祥平)

 ◇高寺 望夢(たかてら・のぞむ) ☆生まれ&サイズ 2002年(平14)10月17日。長野県上田市出身の19歳。1メートル78、76キロ。右投げ左打ち。

 ☆球歴 小学1年から上田リトルで野球を始める。中学では上田シニアに所属。上田西高では1年春からベンチ入り。2年夏と3年夏は長野県大会で4強止まりで、甲子園出場なし。プロ志望高校生合同練習会で6打数5安打の活躍。高校通算31本塁打。

 ☆打率5割超え 昨季ウエスタン・リーグでは58試合、打率.162、1本塁打、10打点ながら、「みやざきフェニックス・リーグ」では13試合、打率.552(29打数16安打)の覚醒。

 ☆初宜野座 今春キャンプで初の1軍組に抜てきされて無事に完走。沖縄滞在中の実戦は9試合で打率.357(14打数5安打)。

 ☆好きな食べ物 生ハム、母の作るオムライス。

 ☆ストイック 体づくりとして新人だった昨年は毎食お茶碗5杯分を平らげた(600~700グラム)。

 ☆趣味 大の格闘技好き。総合格闘技の「RIZIN」は毎回欠かさずチェック。

 ○…高卒2年目の高寺(神)が8番・二塁でプロ初出場初先発。高卒2年目までに阪神選手がプロ初先発は20年8月26日、中日戦での2年目小幡の8番・二塁(3試合目)と、10月14日の中日戦で、新人の井上が7番・右翼で1軍デビューして以来2年ぶり。球宴以前の前半戦でデビュー戦に限れば、67年5月15日の巨人戦で、新人の西村公一の7番・左翼以来55年ぶり、ドラフト制以降2人目。

続きを表示

2022年6月9日のニュース