ミラクル再び!佛教大が4強 明大に3年前決勝のリベンジ

[ 2022年6月9日 13:39 ]

全日本大学野球選手権   佛教大3―2明大 ( 2022年6月9日    東京D )

<佛教大・明大>勝利し、歓喜の佛教大ナイン(撮影・木村 揚輔)
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 佛教大(京滋大学)が、3年ぶりの4強入りを決めた。4回までに2点を先行。9回に追いつかれたが、タイブレークに突入した延長10回裏無死一、二塁で投手への犠打が悪送球を誘い、二塁走者が生還した。19年決勝では森下暢仁(現広島)を擁する明大に完敗。3年越しのリベンジを果たした。

 立役者は先発の山本奨人(3年=智弁学園)だった。7日の1回戦・東海大戦では7回2死まで完全投球だった右腕が、2失点した9回までに三塁を踏ませたのは初回だけ。最速は140キロでも、得意のツーシームを打者の手元で動かし、凡打の山を築いた。「自分の方が(明大打線より)格下。楽しんで、胸を借りる気持ちで投げていました。キャッチャーの井上(幹太)さんと対策を練ってきた結果です」。降板直後はベンチでガックリとうなだれていたが、ナインから「サヨナラで決めてやる」と慰められ、勝利の瞬間は喜びを爆発させて目をうるませた。

 仲間からの信頼がとにかく厚い男だ。久本龍哉マネジャーをはじめ、同級生は「あいつのことを悪く言う人を聞いたことがない」と人柄の良さを証言する。キャンプ、バス釣りなど多趣味な背番号15はチームメートとゴルフに出かける際、車で自宅の京都府宇治市から大学近くの京都市北区まで北上して友人をピックアップ。そこから宇治市よりも南に位置する京都府木津川市のグリーンへ出る。そんな手間にも嫌な顔一つしないから、「奨人のために」とナインは奮起した。

 19年は明大にこそ及ばなかったが、東海大など強豪を次々と撃破。初の4強進出となった同年も、同じ準々決勝で東北福祉大にサヨナラ勝ちを収め“ミラクル佛教”と称された。明大を破った今年、勢いはそれ以上。田原完行監督は「人生ってバランスだと思うんですけど、こう良いことが続くとどこかで悪いことがあるんじゃないかと思ってしまいます」と言葉とは正反対の笑みを浮かべていた。

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2022年6月9日のニュース