エンゼルス・ネビン監督代行は苦労知る熱血スター選手 ドラフト全体1位指名初のメジャー監督

[ 2022年6月9日 02:30 ]

<エンゼルス・レッドソックス>代行監督のネビンコーチ(撮影・篠原 岳夫)
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 【ネビンという男】野茂英雄、石井一久(現楽天監督)がドジャースに在籍していた02年、同地区のパドレスを何度も取材した。当時の本拠クアルコム・スタジアムで試合前に轟音(ごうおん)が聞こえてきた。球場内の通路を大型バイクのハーレーダビッドソンに乗って現れ、クラブハウスに横付けする男。それがネビンだった。

 01年に41本塁打で球宴に初出場。スーパースターのオーラ全開で、どこか近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。プレーは熱かった。球審の判定に激高し、ユニホームを引きちぎったこともある。

 92年バルセロナ五輪米国代表で、同年ドラフト全体1位でアストロズに入団。しかし、頭角を現すのは、99年に4球団目となったパ軍に移籍してから。晩年はケガにも苦しんだ。07年の引退後はマイナーや独立リーグで監督やコーチを務め、今回「代行」ながらようやくメジャーの監督のポストを手にした。

 近年はデータ重視の指揮官がトレンドだが、ネビンは昔ながらの熱血漢。全体1位指名で入団した選手がメジャーの監督になるのは史上初という。スター選手でありながら、苦労も経験している。チームをどう立て直すのか手腕に注目したい。(編集局次長・甘利 陽一)

 ◇フィル・ネビン 1971年1月19日生まれ、米カリフォルニア州出身の51歳。大学在学中の92年に米国代表としてバルセロナ五輪出場。同年ドラフトでアストロズに1巡目(全体1位)で指名されて入団。タイガース、パドレス、レンジャーズなど7球団でプレーし、通算成績は1217試合で打率・270、208本塁打、743打点。ジャイアンツ、ヤンキースのコーチを経て、今季からエンゼルスの三塁コーチ。 

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2022年6月9日のニュース