阪神のゼロ行進止めたのはやっぱり輝!12打席ぶり安打が適時打「めちゃめちゃ盛り上がったんでうれしい」

[ 2022年5月6日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-2ヤクルト ( 2022年5月5日    甲子園 )

<神・ヤ>3回1死一、二塁、中前適時打を放ち、ベンチに向かってポーズを決める佐藤輝(撮影・北條貴史)
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 長かった阪神のゼロ行進に終止符を打ったのは、やはりこの男だった。2点を追う3回だ。3番・佐藤輝がチーム21イニングぶりの得点を叩き出し、負の連鎖を断ち切る口火を切った。

 「めちゃめちゃ盛り上がったんで、凄くうれしいです。超満員で、凄い力になりました」

 「こどもの日」に詰めかけた大観衆をバットで沸かせた。1死から近本、中野の連打で一、二塁。フルカウントからの6球目、再三にわたって攻められていた内角高めの145キロ直球を中前にはじき返し、二塁走者・近本を本塁に迎え入れた。「いつも通り、僕は自分のスイングをしようと心がけていただけです」。自身12打席ぶりの「H」ランプをともし、ヤクルトの連続イニング無失点も30で止めた。「昨日、おとといと悪くはなかった。何とかヒットが出てほしいと思っていました」。淡々と武骨なコメントに、頼もしさがにじんだ。

 子どもの頃の宝物は「レゴブロック」だった。「小学校くらいまで好きで。とりあえずデカイやつを買ってもらって、1回完成させて。(以降は)自分で考えたやつをたくさん作っていました」。そして外ではイチローや松井秀喜らメジャーで戦うスター選手に憧れる野球少年でもあった。そして今――。自らと同じプロ野球選手を夢見る子どもたちに、伝えたい思いがある。

 「一番は楽しく、怒られることを気にすることなく。それができたら一番良いですね。楽しくやってほしい」

 7回には今野から右前打を放って今季10度目のマルチも記録。9回1死二塁では申告敬遠された後、「打ってくれ!って感じです」と自軍ベンチに向かって手をたたいて鼓舞。山本のサヨナラ押し出し四球では子どものようにはしゃいで仲間と歓喜のウオーターシャワーを分かち合った。「やっぱり打てたら楽しい。それが一番」。心から野球を楽しむ思いは、子どもの頃からずっと変わらない。(阪井 日向)

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