開幕投手決定の阪神・藤浪 開幕? 開幕カード? 試合中の矢野監督からの通告に戸惑う「あまりに突然」

[ 2022年3月19日 05:30 ]

オープン戦   阪神3-2オリックス ( 2022年3月18日    京セラD )

<オ・神>5回1死二塁、吉田正の打球を受ける藤浪(撮影・坂田 高浩)
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 阪神・藤浪は、試合中に2年連続となる開幕投手を告げられた。5回を投げ終えベンチへ下がった直後、1死一塁で吉田正の強烈なゴロが右足を直撃していたことを心配した矢野監督から声をかけられた。

 「足大丈夫か?開幕行けるやろ?開幕行くぞ!」

 しかし、当の本人は「開幕」という言葉の意味を完全に理解していなかったという。「“開幕行けるか”か“開幕カード行けるか”かのどっちの意味か自分の中でも(笑い)。あまりに突然来たんで。開幕に間に合うのかという意味での“開幕大丈夫か?”という意味なのか、どっちなんでしょうと」

 試合後、指揮官が明言したことを報道陣から伝え聞いて、ようやく実感が湧いてきた。「あんまり気負わずに開幕代行なのであんまり力みすぎず、落ち着いて入れればと思います」。肩の力は抜いても先輩右腕の無念は背負って投げる。初の開幕投手に内定しながらコロナ陽性で離脱となった青柳からはLINEで「ごめんね、頑張ってね。申し訳ない」とメッセージが届いた。

 「青柳さんが一番悔しいでしょうし。青柳さんに、次の週に良い形で入ってもらえるように良い流れをつくれたらいいなと」

 本番を1週間後に控えた最終調整のマウンドは5回4安打2失点と粘った。初回を除いては常に走者を背負う苦しい投球を強いられながら「及第点」と振り返ったように大崩れはしなかった。カーブを多投するなど、キャンプから取り組んできた緩急を意識した投球を展開。精度をさらに向上させる必要はあるものの「緩い球種を使えたので。その辺り投球の幅になると思う」と収穫を強調した。

 「自分のできることを精いっぱいして、チームに流れを呼び込めるように。苦しい場面も多いと思いますけど、しっかり粘っていけるようなゲームにできれば」。逆襲のシーズンへ、カウントダウンが始まった。 (遠藤 礼)

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