繰り上げ出場の近江 20日の1回戦は“日帰り甲子園” 宿舎の手配間に合わず、バスで滋賀から往復

[ 2022年3月19日 05:30 ]

近江高校から甲子園までの道のり
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 第94回選抜高校野球大会は18日、予定された1日目が雨天順延となった。開会式を含む初日の順延は1992年以来、30年ぶり7度目。新型コロナウイルス集団感染のため出場を辞退した京都国際に代わり、繰り上げ出場が決まった近江(滋賀)は、順延によって生じた「1日」の猶予を追い風に、20日の初戦へ向け急ピッチで準備を進めた。また、初日に出場する和歌山東など6校は、甲子園室内で調整に努めた。

 出場を辞退した京都国際の胸中を思いやりながら、近畿地区補欠校として出場が決まった近江は、大会の雨天順延が決まった18日も、甲子園に向けた準備を急ピッチで進めた。

 繰り上げ出場決定の連絡を受けたのは17日の練習中。選手には練習後に出場が伝えられたが、学校としての準備はこの日から。学校を中心に保護者、応援団、吹奏楽部が打ち合わせを行うとともに急きょバス5台を確保。野球部が3台、ブラスバンドが2台使い、生徒は希望者のみが現地集合する形で、アルプスから500人態勢で応援することを急ぎ足で決めた。そんな状況で生まれた「1日」の猶予。近江にとっては恵みの雨と言えた。

 異例の“日帰り甲子園”となることも決まった。最終調整に努めたチームは20日の1回戦当日、学校のある彦根市から直接、甲子園入りすることで大会本部と合意。高速道路で2時間弱ほどの旅程を往復する。出場校は割り当てられた宿舎から球場入りすることが決まりだが、直前の出場決定で手配が間に合わなかったためだ。宿舎入りは、初戦を突破した場合となる。

 17日の出場決定時、多賀章仁監督は「補欠校として質の高い練習をしてきた。出場が現実のものとなって、チームにはさらに強い絆が出来、昨夏のチームに近づけると期待している。山田の状態も日に日に上がっている」と話していた。昨夏4強の立役者であるエース・山田陽翔(3年)にとっても、この順延はプラスになるはずだ。 (鈴木 光)

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