エンゼルス・大谷、シビれた~「雷神」打ち 新加入164キロ腕シンダーガードとライブBPで中前打

[ 2022年3月19日 02:30 ]

シンダーガード(右)から安打性の打球を放つも苦悶の表情の大谷(撮影・光山 貴大)
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 頼もしい「雷神」と共闘だ。エンゼルスの大谷翔平投手(27)が17日(日本時間18日)、今キャンプで初めて「ライブBP(実戦形式の打撃練習)」で打席に入った。新加入の剛腕ノア・シンダーガード投手(29)と対戦。中前打を放った。過去最高の仕上がりでキャンプインした米5年目、二刀流でのフル回転へ順調ぶりをアピール。まずは打者として、19日(同20日)のダイヤモンドバックスとのオープン戦に出場する。

 大谷は思わず「あぁっ!」と叫び声を上げた。最速102マイル(約164キロ)の剛腕シンダーガードと公式戦も含めて初対決し、最後の一球。直球に詰まらされて左手が強烈にしびれ、声が漏れた。しかし、力強いスイングで運んだ打球は、中前にはずんだ。

 ケージ裏では水原一平通訳に向かって左手を挙げ、球の威力を「これ(手袋)がなかったら死んでたわ~」とオーバーに表現して苦笑いしたが、対戦を楽しんだ様子だ。この日はシンダーガードを含む2投手との計5打席に立った。目慣らしが中心で、全22球のうちバットを振った5球は、いずれもシンダーガードとの対戦だった。

 1メートル93、102キロの大谷よりも大きく、トレードマークの長髪をなびかせる1メートル98、109キロの右腕は、アメコミのヒーローから取った「マイティ・ソー(雷神)」の愛称を持つ。他の4スイングでは直球に差し込まれ、低めの変化球を振らされるなど左飛、空振り、二ゴロ、空振りに終わった大谷。しかし、これまでよりバットの先端が投手方向に向き、左肘をさらに高く掲げた新打撃フォームで最後は球威に負けず、バットを押し込んだ。

 この対決はペリー・ミナシアンGM、ジョー・マドン監督ら20人以上のチーム関係者が見守るなど、大きな注目を集めた。シンダーガードはメッツ時代の16、18、19年に2桁勝利。今季は20年に受けた右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)から本格復帰するシーズンになる。昨年11月の移籍会見では「かつての状態に戻れば大谷とのワンツーパンチで、若い選手と力を合わせて勝ち抜ける」と語った。対決後は、大谷と明るい表情で言葉を交わした。

 15日に「技術的なところもフィジカル(身体的な部分)も、既に昨季より良い状態で、ここまできている」と話した大谷は、19日(日本時間20日)のダイヤモンドバックス戦で打者として実戦初出場を果たす予定。マドン監督は、練習前に16日のライブBPに登板した大谷の感想を問われ「いいんだから評価する必要はない。心配していない」と評した。160キロ超の直球を武器にする両輪がシーズンでフル回転し、ファンをしびれさせる。(柳原 直之)

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2022年3月19日のニュース