エンゼルス・大谷 ベーブ・ルース生誕の地で初“レインボーショット”、今季3度目初回先頭弾が41号

[ 2021年8月28日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1ー13オリオールズ ( 2021年8月26日    ボルティモア )

<オリオールズ・エンゼルス>初回無死、大谷は41号ソロを放つ(撮影・沢田 明徳)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(27)が26日(日本時間27日)、オリオールズ戦に「1番・DH」で出場し、7試合ぶりのアーチとなる41号ソロを放った。今季3本目の先頭打者弾で、ベーブ・ルース生誕の地であるボルティモアでは初の一発。ア・リーグ球団の全本拠地(レンジャーズは旧球場)で本塁打をマークした。2位のウラジーミル・ゲレロ内野手(22=ブルージェイズ)に5本差をつけ、独走態勢に入った。

 選手、観客がしばし空を見上げていた。ゆっくりと、優雅な放物線。大谷が左腕アキンの甘いカーブを捉えた打球は、約6秒の滞空時間をかけ、オリオールパークの右翼席に弾んだ。プレーボールから2球目にかけた41号アーチ。打球角度45度は、18年9月5日レンジャーズ戦で放った20号と並ぶ自己最高の角度。今季のア・リーグ全体でも7位タイの高角度弾だった。

 ベーブ・ルースがプレーした1910~30年代。弾丸ライナーの本塁打は「フローズン・スロープ(凍りつく糸を引くような打球)」と呼ばれ、この日のように高く舞い上がった本塁打を「レインボー(虹をかけるアーチ)」と表現した。現在は「ムーン・ショット」が定着しているが、「レインボー」はデーゲームが中心だった当時らしい呼び方である。

 7試合29打席ぶりの一発は、ルース生誕の地ボルティモアでの初本塁打となった。右翼後方のレンガ造りの倉庫と調和するデザインなど、レトロ調建築の先駆けとなった92年開場のオリオールパーク。近隣にルースの生家もある球場で、晩夏のデーゲームに虹をかけた。チームは16日から5都市を回る長期遠征を終了。ジョー・マドン監督が「タフな最終日」と振り返った完敗にあって、大谷の孤軍奮闘が際立った。

 4打席に立ち1本塁打2四球。中飛に倒れた5回の打席で502打席に達し、日米9年目で初めてシーズンの規定打席をクリアした。「あんまり意識はしていなかった。一日一日、いい仕事ができるかできないか、の延長かなと思います」。前夜、登板後に素っ気なく話した。しかし、今回のようにナイター先発明けのデーゲームに先発出場するなど、本来あり得ないフル回転が続くからこそ到達した数字だ。

 元祖二刀流のルースが1918年に記録して以来となる「2桁勝利&2桁本塁打」まで、あと2勝の大谷。ア・リーグ球団の現本拠で本塁打を放っていないのは、昨季開場したレンジャーズの新本拠地グローブライフ・フィールドのみとなった。シーズンMVPの大本命は、9月28日(日本時間29日)からの3連戦で、全球場制覇も狙う。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪ア・リーグ15球団制覇≫大谷はオリオールパークでの一発が、通算17球場目の本塁打となった。アの本拠地15球場(レンジャーズは旧球場)以外では、コロナ禍でトロントで開催できなかったブルージェイズが一時的にホームとしたフロリダ州ダンイーデンのTDボールパークで1本。また、ナ球団のパドレスのペトコ・パークで1本を放っている。

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