75年夏5試合完投V腕、ヤクルト・小川GM 甲子園球数制限で複数投手用意できる選手層が重要

[ 2021年8月28日 05:30 ]

習志野時代の小川淳司投手
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 46年前。75年夏は今大会同様、度重なる順延に振り回された。台風のため計5日間、順延された。

 優勝は習志野(千葉)。エースは小川淳司投手(現ヤクルトGM)だった。「決勝が台風で2日延びた。あれがなければどうなっていたか分からない」。広島商との準決勝は長い降雨中断の間、肩のケアをしないまま再開後も続投し完投。決勝予定だった翌日、肩が上がらなくなっていた。それが台風で2日間順延。休養のおかげで決勝も完投できた。

 当初は2回戦から決勝まで7日間で5試合の日程が、12日間で5試合となった。小川GMは「順延で何とか投げられたけど、球数制限があったら絶対無理だったろうね」と振り返る。地方大会から全試合完投で優勝。複数投手が当たり前の現代ではまずない。球数制限には「選手の将来を考えれば必要なことだと思う」と話すが、自身の体験も踏まえ「全て同じ条件ならいいが、日程の関係で試合数に差が出る。(投手の負担には)個人差もあるし、難しい問題」とした。

 小川GMは「複数投手を用意できる選手層の厚さが重要。選手が集まる高校と差が出てくる」と続けた。今大会の8強は全て強豪私立校。時代は違うが、75年夏は8校のうち習志野を含む5校が公立校だった。(秋村 誠人)

 ▽75年夏の甲子園 台風5、6号の影響で記録的な長雨となり、計5日間(3回戦途中で3日連続、決勝が2日連続)順延となった。5日間順延は今夏の7日間順延までの最多。当初8月19日の予定だった決勝は24日となり、23、24日に甲子園で予定されていた阪神―ヤクルト戦は中止となった。

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2021年8月28日のニュース