ソフトB・笠谷 “夏期講習”“補習”経て実りの秋へ…先発復帰目指し自分を磨く日々

[ 2021年8月28日 08:45 ]

ソフトバンクの笠谷
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 夏を制する者は、先発合格への道を制するか―。ソフトバンク笠谷俊介投手(24)が寺子屋ではなく、筑後船小屋駅前にある筑後ファーム施設で約2カ月の“夏期講習”を終え、8月22日から1軍マウンドに戻っている。

 「ファームで千賀さんから“勉強しろ”って言われまして。中学、高校で数学や歴史を勉強するじゃないですか。野球もすればするだけ身に付く。それだけのものが出るんだと。倉野さんも親身になって付き合ってくれた。まだ勉強中ですが」

 大分商出身の高卒7年目左腕は今季初めて開幕ローテーション入り。ただ前半戦で先発した7試合で1勝2敗、防御率5・40。計30イニングで26四死球。5月27日中日戦登板を最後に集中講座を始めた。

 左足首じん帯損傷でリハビリ中だった公立の蒲郡高(愛知)卒の千賀先輩の助言に従った。専門教材とノートを手に「好投手とは」をテーマに自習。投球動作、メカニックを学んでメモをし続けた。

 自習の合間には当然、2軍戦にも登板。個別指導も付いた。倉野信次ファーム投手統括コーチと二人三脚で制球の改善へと動いた。「答えが出なくても形が出て結果も出た。あとは1軍で出すだけだと」。7月20日のウエスタン広島戦では14三振4安打1四球完封と復調し同25日から1軍練習に再合流した。

 ペイペイドームでも勉強は続けた。投手練習では左の捕手ミットを付けて155キロを超える直球が武器のスチュワートの球を受けたり、マルティネスにチェンジアップの握り方を教わったり。何でも吸収。エキシビションマッチでも好投した。

 リーグ戦には8月22日ロッテ戦の7回に中継ぎとして復帰。2回3三振の完全で勝利投手となり、追試に合格。同26日の西武戦で、先発復帰する再試のチャンスをもらった。

 ただ結果は3回1/3、1被弾を含む5安打3失点。89球を要し4四死球と課題が残った。「リズムが悪く、攻め切ることができなかった」とコメントした。工藤監督は「身体の軸がずれ、球が抜けている。言ってすぐにはできないので話しながら見て行きたい」。これから、指揮官との補講がしばらく始まる。夏休みは終わり、実りの秋に突入するが、次の模試の日に向けて笠谷の復習と予習は続く。(記者コラム・井上 満夫)

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2021年8月28日のニュース