これが4番の宿命か 阪神・大山が3度の好機で凡退 打線変更の可能性も 佐藤輝は20打席安打なし

[ 2021年8月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4ー6広島 ( 2021年8月27日    マツダ )

<広・神>9回、最後の打者になった大山(右端)(撮影・成瀬 徹)
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 阪神は27日の広島戦に4―6で敗れ、連勝を逃した。大山悠輔内野手(26)が序盤、中盤、終盤に訪れた3度の好機で凡退。特に5回は目前でサンズが敬遠される屈辱だった。佐藤輝明内野手(22)も3打席連続三振を喫するなど自己ワーストを更新する5試合20打席無安打。2位・巨人、3位・ヤクルトがそろって敗れたのが救いだった。

 痛恨の結末だ。2点を追う9回2死二、三塁。大山はラストチャンスも逃した。カウント1―1から3球目。ベルト高さに来た栗林のフォークを打ち損じ、平凡な三ゴロで最後の打者になった。

 「悠輔(大山)のところにね。結果的にチャンスで回ってきたところで、どっかで1本出ればというところやったと思う…」

 連勝を逃した矢野監督は精彩を欠いた4番打者に唇をかんだ。

 まずは2点優勢の3回は1死満塁で2―2から内角147キロにどん詰まり。力のない二ゴロ併殺で大瀬良を一気に崩す好機を逃した。逆転された直後の5回は目前でサンズが申告敬遠で勝負を避けられ、2死一、三塁で外角カットボールを引っかけて三ゴロ。唯一の安打は8回1死無走者からの右越え二塁打で、得点圏に走者を置いた3度の打席はすべて倒れた。

 「もちろん、そういう打順を打っているんで。そこで1本出ていたらなと」

 指揮官の言葉通り、どこかで1本でも快音が出ていれば展開は大きく違っていた。3試合連続で打点がなく、得点圏打率はついに2割を切り、・198まで落ちこんだ。

 大山の後ろに座る佐藤輝もブレーキだ。3打席連続三振に加え、8回の左飛で自己ワーストを更新する20打席無安打。21日の中日戦の第4打席で中前打を放って以来、快音がない。本塁打も19日のDeNA戦の23号が最後。4、5番の不調が得点力不足に直結し、矢野監督も腕組みした。

 「悠輔、輝というのが、どっちも(状態が)悪いから。なかなか(打線として)機能しないというところでもある。打順を、どうのこうのするのは、もちろん考えているけどさ。どうするかは、まだ考えていない。何とか変えるのか、そのままいくのか…。ちょっと考えます」

 敗戦後は通常よりコーチ会議の時間が長かった様子だった。打開へ向けて打順の組み替えはあるのか。振り返れば、前半戦の快進撃は攻撃陣がけん引した。巨人、ヤクルトも共倒れし、2位以下との2ゲーム差は同じ。首位死守の命運は若き大砲2人が握っている。(山本 浩之)

 《2年ぶり4番直前打者敬遠》阪神の4番打者が直前の打者を敬遠されるのは19年7月23日DeNA戦の9回以来2年ぶりで、前回も4番大山。同点の1死二塁で3番糸井が敬遠され、1死一、二塁で空振り三振だった。この年、同様のケースはすべて4番大山で6度あり、5打数無安打1四球だった。

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