オリックス・由伸 完封11勝で自身8連勝!「(完投は)よりチームに貢献できる。うれしさ大きい」

[ 2021年8月28日 05:30 ]

パ・リーグ   オリックス2ー0ソフトバンク ( 2021年8月27日    京セラD )

<オ・ソ>完封勝利を決め捕手・若月とタッチを交わす山本(右)(撮影・後藤 正志)
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 9回2死一塁。被弾で同点の局面で柳田を迎えても、オリックス・山本は冷静だった。「あえて力まずに、全力で投げました」。独特の言い回しは、体幹などバランスが重要視される独自の投球フォームを最大限に発揮した証しだ。1ストライクからの2球目、計100球目に155キロを計測。最後は145キロフォークで9個目の三振を奪い、2試合連続完投の独り舞台を締めた。

 「(完投は)よりチームに貢献できると思うし、その、うれしさは大きい。4回くらいから球数が少ないのを確認して、このペースなら完封いけるかなって意識していました」

 4回で35球。狙い通り投げ抜いた。最速157キロで被安打4に抑え、三塁を踏ませない。自己最長の8連勝に伸ばし、宮城に並ぶリーグトップ11勝目を5年目で初の無四球完封で飾った。

 完封は4月1日以来の今季2度目で、ソフトバンクから同一シーズン2度は12年の田中将(楽天)以来だ。「へえ~、すげえ。得意とか意識していないけど、たまたまです」。侍ジャパンのエース格で奮闘した東京五輪。授与式では隣の田中将から金メダルを首に掛けられた。球界の“エース継承”を象徴するかのような場面だった。大会期間中は国際大会に挑む上での注意点などさまざまな助言を惜しみなく授かった。今回の鷹斬りで快挙も引き継ぎ、一層の飛躍を予感させた。

 防御率1・64、140奪三振と合わせて再び投手3冠に立ち、中嶋監督にも「もうナイスピッチング。制球、キレ、すべてが良かった」と最大級の賛辞を贈られた。「(登板数を重ねることで)球数が増えて、その分、感覚が良くなっている」。大舞台を経験した夏を駆け抜け、まだギアが上がる。存在感がすさまじい。(湯澤 涼)

 《チーム11勝以上2人は7年ぶり》山本(オ)が今季2度目の完封で11勝目。宮城に並ぶリーグ最多勝で、チームに11勝以上の投手が2人は14年の金子16勝、西12勝以来7年ぶり。5月28日のヤクルト戦から継続中の8連勝は、前出の14年西が開幕8連勝して以来7年ぶり。完封は今季4月1日のソフトバンク戦以来の通算3度目。同一シーズンにソフトバンクから2度の完封は、12年に田中(楽)が2完封して以来9年ぶり。オリックスでは初年度の89年に星野伸之が前身のダイエーから2完封して以来32年ぶり。無四死球試合は昨季7月12日の日本ハム戦(1失点完投)に続く2度目。完封では初めて。

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2021年8月28日のニュース