広島・誠也 勝利呼んだ二塁打×2 前夜2発に続き躍動!本人は浮かれず「たまたま。(まだ)2試合」

[ 2021年8月28日 05:30 ]

セ・リーグ   広島6ー4阪神 ( 2021年8月27日    マツダ )

<広・神>7回1死一、二塁、鈴木誠は左中間に2点適時二塁打を放つ(撮影・岩崎 哲也)
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 主砲に“らしさ”が戻ってきた。広島は27日の阪神戦を6―4で制し、2連勝。1点を追う4回、先頭の4番・鈴木誠也外野手(27)が右中間二塁打を放って逆転を呼ぶと、7回には左中間への2点二塁打で突き放した。投げては大瀬良大地投手(30)が6回2失点(自責1)の粘投。自身の連勝を4に伸ばし、6勝目を飾った。 

 ライナー性の打球は左中間を真っ二つに割った。1点優勢の7回1死一、二塁で、鈴木誠が4番の仕事を果たす。カウント1―2と追い込まれながら、阪神2番手・アルカンタラの153キロ外角球を最後は左手一本で振り抜いて2走者を還し、二塁ベース上でこん身のガッツポーズだ。

 「良い追加点になったとは思うけど、たまたま当たっただけ。ちょっと打ったからといって、やめてくださいよ。たまたま。(まだ)2試合ですから」

 決して浮かれない主砲。打てば、しかし、打線は活気づく。逆転の口火を切ったのも鈴木誠だった。1点を追う4回の先頭打者。先発・西勇が投じた初球の140キロ外角直球を積極的に強振すると、鋭い打球は右中間を深々と破った。二塁打に盛り上がるベンチ。直後に坂倉、菊池涼の長短適時打が生まれた。

 長くスイングに苦悩する。タイミングが取れないため、初球ストライクが振れない、決め球に手が出ない。技術で打率3割をキープしても、持続性や局面を変える一打では“らしさ”を欠いた。本人は百も承知。登板時に援護できず、勝ち星が伸びない森下に「ごめんな。打てなくて…」と頭を下げたことも。

 兆しは見える。26日の巨人戦で、菅野らから後半戦初の長打となる2本塁打。この日は初球から振って、連勝に直結する2本の二塁打を放った。佐々岡監督は「(4回は)誠也から始まり、逆転につながった。(7回も)欲しいところで2点打。大きかったね」と働きを絶賛した。

 もはやチームを背負わなければいけない立場。グラウンドの内外では若手への声がけをいとわない。打率が3割を切った林には「結果を出しているから攻め方は変わる。逆に(高卒)3年目でそれを経験できるのはいいんじゃない?」とアドバイスしたという。

 主砲が打てば球場の空気は変わる。絶大な存在感。きょうも、いや、ずっと、破顔一笑の鈴木誠が見たい。(江尾 卓也)

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