流れを変えた侍J・伊藤の「強心臓」 韓国ベンチの「クレーム」にも動じず「腹をくくってやるしかない」

[ 2021年8月4日 23:18 ]

東京五輪第13日 野球準決勝   日本-韓国 ( 2021年8月4日    横浜 )

<東京五輪・野球 日本・韓国>7回、力投する伊藤(撮影・小海途 良幹)
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 東京五輪に出場している野球日本代表「侍ジャパン」は4日、準決勝で宿敵・韓国と対戦。接戦を5―2で制して銀メダル以上を確定させ、悲願の金メダルへ王手をかけた。2―2で迎えた8回に山田哲人内野手(29=ヤクルト)が走者一掃の3点適時二塁打。これが決勝点となった。日本は1次リーグから無傷の4連勝。7日に行われる決勝戦(横浜)では、いずれも日本に敗れた米国と韓国がぶつかる敗者復活戦(5日)の勝者と、公開競技だった1984年ロス五輪以来37年ぶりの金メダル獲得を懸けて激突する。

 打線のヒーローが山田なら、投手の殊勲甲は大事な7、8回を無失点で切り抜けた伊藤だ。7回に四球、8回2死から二塁打で走者を許しながら、新人とは思えない落ち着いたマウンドさばきで、韓国に傾きそうな流れを食い止めた。

 「1球目から思い切って自分のボールを投げられたのが一番かな、と思います。緊張?そこで抑えられたら嬉しいかな、っていうくらいに思って、本当に思いきってやるだけなんで。腹をくくるしかないので、自分らしく行こうかなと。試合もどっちつかずの展開で、少しでもリズムよくベンチに戻って打線にいい流れをって思ってました」

 登板中、韓国ベンチから「クレーム」がついた。ロージンバックの使用頻度に抗議の声が上がった模様。ただ、その直後に、再びロージンを手にするなど、心臓の強さは日の丸を背負うにふさわしい。

 「日本を代表して(マウンドに)あがるのはピッチャーとして誇らしいこと。気負わず食らいつくだけ。決勝?これまで4試合と変わらず、思いきって自分たちのプレーをするだけ。普段は先発ですが短いイニングになると思うので、思いきっていこうと思います」

 若きサムライ。初めての金メダル(公開競技を除く)を狙う大一番でも、きっと伊藤が必要な場面は訪れる。

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