甲子園抽選会の裏で…「コロナ禍」で県大会辞退を強いられた新潟・中越が「けじめ」の引退試合

[ 2021年8月3日 16:50 ]

けじめの引退試合のあと、校歌を歌う中越ナイン
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 新型コロナウイルスの影響で、第103回全国高校野球選手権新潟大会の出場を辞退した中越が3日、三条市の三条パール金属スタジアムで3年生による“けじめ”の引退試合を行った。同校は夏の甲子園に県内最多タイの11度の出場を誇る強豪だが、新潟大会開幕後、校内でコロナの感染者が出たことから休校となり、県高野連のガイドラインに沿って野球部は出場辞退を余儀なくされた。

 その後、野球部は7月26日から練習を再開。本田仁哉監督(44)の「甲子園を目指し、甲子園で勝つ思いは、どこの学校より強い3年生だった。勝ち負けもない、甲子園もないが、何とかグラウンドに立たせてあげたかった」という強い思いから、この日の試合が実現した。3年生38人をA、Bに分けた実戦。試合中は新潟大会前に録音した吹奏学部などによる応援ソングも流れ、雰囲気を盛り上げた。

 試合は主力組のAチームが2回、2二塁打に2四死球を絡めて3点を先制。Bチームはその裏に1点を返したが、終盤に3点を追加したAチームが6―2で振り切った。

 鷲沢皇源主将(3年)は「最初は一人一人が頭が真っ白になった」と当時の心境を明かす。「こういう場を設けてくれた関係者に感謝を伝えるのは全力プレー。中越らしい試合ができたと思うし、満足している。この試合をけじめとして、それぞれが次のステップに進むスタートラインに立った。ここからが始まりです」と区切りをつけた様子。投打でチームを引っ張った渡辺恵多(3年)は、この日、投げては先発して5回1失点。打っても2安打をマークし「全力を出せた。これからに生かしたい」としっかりと前を向いた。

 思わぬ形で甲子園への道を絶たれた3年生の高校野球は終わった。新チームの主将に就任した吉井愛斗(2年)は「キャプテンとしてプレーで、背中で引っ張っていきたい」と力強く話し、「3年生がいるうちに恩返しするには(来春の)センバツを決めることだと思う」。中越初のセンバツ出場を誓った。
(矢崎 弘一)

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