ファン楽しませた巨人の3チーム対抗戦 発案者の原監督が込めた思いは

[ 2021年8月3日 08:00 ]

巨人・原監督
Photo By スポニチ

 五輪中断期間に、巨人が新たな試みでファンを楽しませた。7月21日に行われた1~3軍までの全野手を振り分けた3チーム対抗戦だ。「元木軍」「阿部軍」「二岡軍」に分かれ、7回制で攻撃、待機、守備の順番で得点を争った。育成選手を含めた若手にとってはアピールの場になったと同時に、1軍選手とともにプレーすることで自身の現状を把握する機会になったはずだ。担当記者の間でも、試合の2日前に行われたチーム内ドラフト会議を含め「面白い」と話題になった。

 チームの活性化だけでなく、発案者の原辰徳監督(63)が期待したのは、アマチュア球界にこの方式が波及することだった。「(部員が)多い大学生とか高校生チームとか、これからするかもよ」。確かに、大人数の部員を抱え、控え選手が実戦に臨む場が少ないチームにとっては参考になり得る一戦だったように思う。
 記者が所属していた高校野球部も100人以上の部員を抱える大所帯だった。紅白戦や練習試合は当然、主力メンバーが中心で出場していた。3年間控え選手だったため、なかなか試合に出ることができず、歯がゆい思いをした覚えがある。それに関しては、練習不足と実力がなかったとしか言えない。ただ、今回の全員が参加できる方式の試合を見て「高校生当時にチーム内で定期的にやっていたら、自分のような控え選手のモチベーション向上につながったかもしれないな」と、ふと思った。

 原監督は、この試合後に「結果を出すことはもちろん大事ですけど、簡単なことではない。打席の結果ではなく、練習の時とか立ち居、打席に立つまでとか。そういうところを見ますよね」とも話した。学生野球に置き換えても、中心選手と実力差のある控え選手が、数少ないチャンスで安打や本塁打を打つことは難しい。一方で、練習や試合に一生懸命取り組む姿勢を見せることは誰でもできる。そういった姿が監督やコーチの目に留まれば、先々の試合の出場機会が巡ってくるかもしれない。

 どのチームも、実力のある選手が試合に出るのは当然で、控え選手も普段の練習から努力することが前提だ。それでも、この3チーム対抗戦の方式が学生野球にも広がり、全国のくすぶっている選手がチーム内でアピールする場がより増えたらいいな、と元控え高校球児は思う。(記者コラム・田中 健人)

続きを表示

「始球式」特集記事

「中田翔」特集記事

2021年8月3日のニュース