日本ハム・伊藤大海、ルーキー最多タイ7勝!五輪金メダルへ“波MAX”6連勝締め

[ 2021年7月10日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム6―1ロッテ ( 2021年7月9日    ZOZOマリン )

<ロ・日>7回無失点で今季7勝目を挙げた日本ハムの伊藤(撮影・長久保 豊)
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 少しもぶれることはない。投球スタイルも、打者に向かっていく姿勢も。新人なのに、この安定感はどうだ。日本ハム・伊藤大海の姿に誰もが安心していた。

 「自分の投球をしっかりやりきろうと思っていた。今までの投球を評価していただけたので、自分が変わってはいけないと」。5日に東京五輪代表への追加招集が決まってから初の登板。ありのままの自分を貫き、チームを3連勝に導いた。投球の軸である直球を中心に、宝刀の縦のスライダーを織り交ぜた121球。強い気持ちで打者を圧倒した。

 初回。1死から藤原に遊撃への内野安打を許した。スコアボードに「H」のランプが点灯したのはこれだけ。二盗で得点圏に走者が進んだが、3番・中村奨、続くマーティンを力で押し込み、ともに直球で三振に斬った。2回以降は縦のスライダーを増やし、7回1安打無失点。3連勝を飾った栗山監督も「幅がある。自分、グラウンド、相手の状況を踏まえ凄く工夫している」と高く評価した。

 打者に向かう強い気持ち――。駒大苫小牧時代に培ったもので、それは同校の偉大な先輩である楽天・田中将が後輩たちへ残したものでもある。ずっと背中を見続け、憧れ続けた右腕と侍ジャパンで世界の頂点を目指してともに戦う。伊藤は「いろいろ世界を知っている方。楽しみが多いです」と素直に喜び「プロ野球の代表として戦うという自覚と責任を持って頑張りたい」と言葉に力を込めた。

 ソフトバンク・千賀とともに追加招集された右腕は自身6連勝となる7勝目で前半戦のラスト登板を締めた。試合前の練習中、侍のように長い後ろ髪をまげを結うように結んでいた伊藤。その名の通り五輪という「大海」へ万全の状態で向かう。(秋村 誠人)

 ≪7勝&防御率2.42 ともにパ3位≫伊藤(日)が5月28日の中日戦から6連勝。新人の6連勝以上は今季早川(楽)の6連勝以来だが、日本ハムでは87年西崎幸広が10連勝して以来34年ぶりだ。また、伊藤は6試合で6連勝。チーム新人の勝敗なしの試合を挟まない連続試合勝利としては、62年尾崎行雄(当時東映)、前記西崎、06年八木智哉の各5戦5勝を抜く、最多記録になった。なお、この日で7勝、防御率2.42とし、両部門でパの3位にランクイン。今季の新人では早川に並ぶ最多の勝ち星にもなり、タイトル候補に躍り出た。

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2021年7月10日のニュース