苦闘続くソフトBに光 守護神、8回の男、世界一の足…「回復期間」経た後半戦からの逆襲に期待

[ 2021年7月10日 09:00 ]

ソフトバンク・森
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 苦しい戦いが続くソフトバンクに光が差し込んできた。守護神・森、主砲・グラシアルなど離脱者が相次いだ今季。過去8度優勝した交流戦で9年ぶりに負け越し。現在も流れに乗りきれずBクラスに沈んでいるが、主力組が着々と状態を上げてきている。

 まずは「勝利の方程式」の2人だろう。森は左肘の手術を受け、約1カ月の入院を経て1日からリハビリ組に合流。早ければ7月末からブルペンで本格的に投球開始する。筑後ファーム施設でキャッチボールや体幹トレーニングなどで汗を流す姿を見る限り表情は明るく、ひと安心だ。

 続いて「8回の男」モイネロ。東京五輪米大陸予選にキューバ代表として出場し隔離期間を終えて再調整中だったが6日、ウエスタン・リーグの阪神戦で実戦復帰。最速153キロをマークし、1回無失点。コンディションを上げて9日から1軍に合流した。「チームを離れた責任がある。苦しい状況を把握しているし、助けたいという思いでここにいる」と中継ぎエースとしての自覚も忘れてない。

 野手陣も順調な回復ぶりだ。右手薬指骨折から復帰を目指すグラシアルはキャッチボールを開始。患部の状態を確認し、打撃練習に入っていけそうだ。また、右手人さし指骨折のためリハビリ組で調整していた周東は9日のウエスタン・リーグ、オリックス戦で実戦復帰。打撃のレベルアップは必須だが、「世界一の足」はチームに欠かせない武器だ。助っ人軍団も黙ってはいない。東京五輪米大陸予選の大会中に左胸筋付近を負傷したデスパイネ、不振で再調整中のバレンティンも同日、実戦復帰予定だ。

 それだけではない。今季初の開幕ローテーション入りを果たした笠谷はファームで5戦3勝、防御率2・88と準備は万端。サブマリン・高橋礼、160キロ右腕の杉山、右肘の手術から復活した甲斐野らも虎視眈々(たんたん)と1軍昇格を狙っている。

 今年は東京五輪開催のため、球宴を経て7月19日から8月12日までシーズン中断期間がある。この約1カ月が「回復期間」となり、戦力が整った後半戦から王者の逆襲が始まりそうだ。(記者コラム・福井 亮太)

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2021年7月10日のニュース