運気上々や!阪神・矢野監督、巨人連続エラーからのノーヒット決勝点に「ラッキーな形」

[ 2021年7月10日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4-1巨人 ( 2021年7月9日    甲子園 )

<神・巨(13)>3回2死二塁、生還した中野を出迎える矢野監督(撮影・北條 貴史)
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 これも猛虎ナインの日頃の行いの良さのたまものか。降雨コールド勝ちもさることながら、先制劇も幸運そのものだった。3回、先頭の佐藤輝の一塁へのゴロ、続く中野の遊撃へのゴロを巨人内野陣がまさかの「連続トンネル」。1死一、三塁とし、近本の二ゴロの間に労せずして貴重な先取点を、しかも無安打で奪った。

 「ちょっとラッキーな形でのチャンスになったけど。それでも1点で終わらずにもう一本、ケント(糸原)の適時打も大きかった。少ないチャンスでしたけど、行けましたね」

 試合後の矢野監督は淡々と話したが、内心は「巨人さん、おおきに」と言ったところか。無死一塁からの中野の打球は完全な併殺コースだったが、名手・坂本が信じられないミスを犯してくれた。

 この日は朝からの悪天候で両軍ともに練習は室内。試合前のシートノックもなかった。慣れない甲子園の土のグラウンドで、ノックも受けずにゲームに入らざるを得なかったのが巨人ナイン。リーグ最少のチーム失策30とはいえ、プレーボール前から“追い風”が吹いていた。

 ただ、指揮官が強調したように、無安打で奪った1点だけに終わらなかったことに価値がある。近本の二ゴロ後、なお2死二塁で糸原がしぶとく右前適時打。「相手のミスでもらったチャンスで、しっかりつけこめるようにと。1点と2点では違うので集中した」。失策で出た走者を2人とも生還させ、確実にダメージを与えた。

 ど迫力の虎の顔をあしらった「ウル虎イエローユニホーム」着用試合は、お披露目試合だった4月16、18日のヤクルト戦を含め今季3戦3勝となった。「すごい派手ですけど、チームがこのユニホームで勝っているんで明日(10日)も全員野球で頑張りたい」と糸原はあやかる構えだ。

 今日勝てば、08年以来の前半戦首位ターンが決まる。思えば、8日ヤクルト戦も8回の青木の落球から逆転勝利した。運気も上々の猛虎が、一気に宿敵を突き放す。(山添 晴治)

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