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オール1年生で挑んだ鴨川令徳 6年ぶりの夏 白星ならずも松尾守監督「この夏で高校球児になった」

[ 2021年7月10日 22:21 ]

第103回全国高校野球選手権 千葉大会 1回戦   鴨川令徳6―7市川工 ( 2021年7月9日    ゼットエーボールパーク )

ランメニューを行う海岸で笑顔を見せるナインと松尾監督(前列中央) (撮影・柳内 遼平)
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 今年4月に前身の文理開成から改称した鴨川令徳は部員不足により廃部となって以来、6年ぶりに野球部が復活。オール1年生の11人で夏に挑んだ。

 9日に行われた市川工との初戦は6―7で競り負けた。選手のスカウトや寮監として選手の私生活を指導するなど野球部の再建を担った松尾守監督は惜敗にも「選手たちはこの夏で高校球児になった」と成長に目を細めた。

 野球の神様は試練を与えた。初回の守りは2失策が絡み、いきなり4失点。負ければ終わる夏。経験したことのないプレッシャーにナインのプレーは固かった。指揮官は「普段やっていることができない。本当に身に染みた初回でした」と振り返る。

 鴨川令徳の校舎は鴨川・前原海岸沿いにあり、野球部専用のグラウンドは持たない。ロッテが秋季キャンプを行う鴨川市営球場で週2回ノックや打撃練習などの実戦メニューに励む。実戦不足を校舎前の海岸で行うランメニューで補った。砂浜でダッシュを繰り返して鍛えた足腰で機動力野球を武器にした。夏の大会前には練習試合で勝利を重ね、自信を深めた。

 「徐々に試合に慣れ、やるべきことが少しずつできた」。1―7で迎えた7回。4安打に3盗塁を絡めて一挙4得点。本来の武器だった機動力が光った。8回も1得点で1点差に迫ったが、反撃はここまで。9回は大会前に左足首を骨折した影響で途中出場となった主将の安里聖飛(しゅうと)が中前打を放つなど意地を見せたが、1点に泣いた。

 1年生だけの戦いを終え「成長の夏として非常に良い試合だった。終盤、どれだけ劣勢でも必死に立ち向かう姿にこの学校が復活する兆しを見た。同時にこの子たちと良い思い出をつくって一緒に最高の舞台にいきたいと思いました」と松尾監督。

 選手たちは試合後、自主的にミーティングを行い、今までに見せたことのない真剣な表情で語り合った。沖縄の名門・浦添商でプレーした経験を持つ指揮官は「遊びの延長で本気になる。これほど強いものはありません」と野球観を持つ。初めて知った敗戦の味で1年生が“本気”になれば、初勝利は近い。(柳内 遼平)

 ◇松尾 守(まつお・まもる)1991年(平3)8月20日生まれ、東京都江東区出身の29歳。高校時は沖縄・浦添商で捕手としてプレー。専門学校、社会人野球でのプレーを経て、現役を引退。千葉・明聖、静岡・川根で指導者を務めた後、20年4月より鴨川令徳で指揮を執る。

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