牛島和彦氏 デビューの佐々木朗 さらなる大物になるための「3つの課題」

[ 2021年5月16日 20:24 ]

パ・リーグ   ロッテ6―6西武 ( 2021年5月16日    ZOZOマリン )

<ロ・西(9)>第1球を投げる佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 ロッテの2年目・佐々木朗希投手が西武戦に先発。プロデビューを果たした。ロッテの先輩にもあたるスポニチ評論家の牛島和彦氏が、佐々木朗がさらに大きな存在になるための課題をあげた。

 ピンチでも非常に落ち着いていたし、四球から崩れる不安もない。佐々木朗の大物たるゆえんが存分に見られたデビュー戦だったが、もちろん課題もある。一つずつクリアしていけば、素晴らしい投手になれると思う。

 (1)クイックの肝は右股関節への意識 けん制こそ何度も挟んでいながら、完全にフォームを盗まれて5盗塁を許した。やはり多すぎる。佐々木朗は左足を大きく跳ね上げて投げるフォームだけに、クイックモーションへの対応は必要不可欠。大切なのは右股関節への意識だ。

 左足を上げてから下ろす過程の体重移動で、右投手は必ず右股関節に体重を乗せる。走者がおらず、左足を高く上げた時のこの「乗せる」感覚を、クイックでも体に覚え込ませればいい。練習を重ね、コツさえつかめば決して難しくはない。

 (2)遅い変化球を身に付ける 直球が150キロオーバーなのに対し、この日はスライダー、フォークとも140キロ前後。緩急差を生かせていなかった。直球をより効果的に見せるためにも、例えば「遅くて曲がりの大きいスライダー」を覚えるなどすれば投球は幅がグッと広がる。

 (3)フォークの握りは指の幅を広く この日はフォークを29球投げたが空振りは3球だけ。ファウルが8球、3回の栗山の犠飛など前に飛ばされたのが7球あった。映像で確認する限り、佐々木朗はフォークを投げる際の人さし指と中指の握りが浅いように感じた。もう少し深く握れば、腕を振った際により「抜けた」感覚のフォークが投げられる。球速も遅くなって緩急が生きるし、ストンと縦に大きく落ちるようになる。より効果的な球種になるはずだ。

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2021年5月16日のニュース