慶大 4番・正木の決勝弾で3季ぶりV王手 ドラフト候補の一撃に広島スカウト「音が違う」

[ 2021年5月16日 14:42 ]

東京六大学野球春季リーグ戦第6週最終日   慶大4―1明大 ( 2021年5月16日    神宮 )

<立大・慶大>8回2死一、二塁、3点本塁打を放ち笑顔を見せる慶大・正木(撮影・河野 光希)
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 慶大が4番の決勝弾で、3季ぶり38度目のリーグ優勝に王手をかけた。

 1―1の8回2死一、二塁。正木智也一塁手(4年、慶応)が左中間席へ決勝の3ランを叩き込んだ。立大の3番手・宮海土(3年、国学院栃木)の143キロ直球を仕留める今季3号に「宮投手の一番いい球、真っすぐに絞って自分のスイングができた」。宮は試合前まで防御率0・00と立大投手陣を支えていたが、完璧に打ち砕いた。

 打席に入る前だった。堀井哲也監督、3番打者として三振に倒れた主将の福井章吾捕手(4年、大阪桐蔭)から「任せたぞ」と言われたという。「1対1の勝負に入り込めた」。集中力はMAXに達していた。

 現役最多タイとなる通算9号。今秋のドラフト候補としてネット裏で視察していた広島・苑田聡彦スカウト統括部長は正木の打球音に注目していた。「球場で1人だけバットから発する音が違う」と話すと「各球団とも、いい左投手がいるから右の長距離砲は魅力。今は一塁だけど三塁も守れるから」とプロでもポジションは問題なしと強調した。

 チームは開幕カードの法大初戦に敗れて以降、7連勝=7ポイントで首位を堅持した。第7週(立大―明大戦)次第ながら、最終週の早慶戦に1勝すれば3季ぶり38度目のリーグVが決まる。

 昨秋の同カードはあと1死で優勝に迫りながら早大・蛭間拓哉(3年、浦和学院)の逆転2ランで、ライバルの歓喜を見守る立場に変わった。「去年ああいう負け方を経験している選手が多いので、もう一段階成長して早慶戦に臨みたい」。正木が語気を強めた。

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2021年5月16日のニュース