ライアンがマダックス!ヤクルト・小川が99球完封 まるで「精密機械」無四球3安打

[ 2021年5月16日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト5―0中日 ( 2021年5月15日    バンテリンD )

<中・ヤ>力投を続ける小川(撮影・椎名 航)
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 100球未満での完封をメジャーでは「マダックス」と呼ぶ。精密機械と称された伝説の右腕が由来の言葉だ。ヤクルト・小川が9回を99球で3安打完封。左足を高く上げる投球フォームで「ライアン」と呼ばれる右腕がマダックスを達成し「できるとは思ってなかった」と充実感に浸った。

 無安打無得点を達成した昨年8月15日のDeNA戦以来の完封劇。強い思いを秘めていた。相手の先発は同学年&同郷で今季はともに開幕投手も務めた福谷。高校時代に愛知選抜で日米親善試合にも出場した戦友との投げ合いで、持ち味でもある制球力を発揮した。「ストライク先行で攻められた」とボールはわずか31球。もちろん無四球の快投だった。

 「一瞬の苦しみから逃げたら一生の後悔」。成章時代に帽子のつばに先輩に書かれた言葉を体現するように現実と向き合った。前回2日のDeNA戦は3回途中6失点で防御率5・46となり、出場選手登録を抹消された。「直球が走ってなかった」と分析。球威を取り戻すため、徹底的に走り込んだ。フォームも微調整。踏み出す左足に体重をしっかり乗せるため、セットポジションのグラブ位置も胸の前からベルト付近に変更した。この日に打ち取った毎回の先頭打者のうち7人は直球。最速は147キロをマークした。

 16日が31歳の誕生日。「30歳最後にまさか完封できるとは。ここまで納得できるピッチングが少なかった。継続していきたい」。チームは今季デーゲーム13戦目で初勝利し、2連勝で貯金3。エースが輝きを取り戻し、上位をうかがう。(青森 正宣)

 ▽「マダックス」 大リーグで100球未満での完封を意味する。86~08年にブレーブスなどで活躍したグレグ・マダックスは、通算35完封のうち13度を100球未満で達成。抜群の制球力は「精密機械」と呼ばれた。04年に16勝を記録し、17年連続15勝以上を達成。通算355勝を挙げ、サイ・ヤング賞4度、最多勝利3度、最優秀防御率4度。14年に殿堂入り。

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2021年5月16日のニュース