明桜 代替大会制覇全国一番乗り!橘高&長尾のプロ注目右腕リレーで快勝 

[ 2020年7月23日 05:30 ]

秋田代替大会決勝   ノースアジア大明桜7―2能代松陽 ( 2020年7月22日    こまちスタジアム )

<ノースアジア大明桜・能代松陽>優勝を決めたノースアジア大明桜ナインは歓喜の輪をつくる(撮影・村上 大輔)
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 都道府県高野連が独自に開催する代替大会は22日、全国で24試合が行われた。秋田の決勝では、ノースアジア大明桜が能代松陽に7―2で快勝。全国一番乗りで代替大会の優勝を飾り、3年ぶりに秋田の頂点に立った。ノースアジア大明桜は、東北各県の代替大会で優勝した代表校計6校による独自の東北大会(8月9~11日、宮城県)に出場する。また、埼玉の組み合わせが決まった。

 雄叫びを上げた。歓喜の輪もつくった。例年と違い、甲子園切符は手に入らない。それでも、明桜(秋田)ナインは昨秋の県大会決勝で敗れた能代松陽に雪辱し、喜びを爆発させた。

 「今までたくさんつらいことがあったけれど、それを乗り越えて今日という日がある。とてもうれしい」。選手の思いを福井章記主将(3年)が代弁した。

 プロ注目の両右腕による継投策が光った。先発の橘高康太(3年)は自己最速タイの146キロを計測した直球で押し、5回2/3を2失点。救援した長尾光(3年)は自己最速にあと1キロに迫る144キロ直球に多彩な変化球を織り交ぜ、3回1/3を無安打に抑えた。昨年2月に総監督兼投手コーチに就任した元横浜(現DeNA)監督の尾花高夫氏がスタンドから見守る中で成長した姿を見せ、橘高は「素直にうれしい。(8月の)東北大会は完封リレーでやっていきたい」と腕をぶした。

 5月20日に夏の甲子園中止が決定。福井主将は「何を目標にしたらいいんだ…」と漏らし、ナインも途方に暮れた。翌21日、輿石重弘監督の57歳の誕生日に3年生30人がサプライズで似顔絵入りのケーキをプレゼント。「非常につらい時期だったけど、監督に感謝を伝えたかった。監督の顔を見て泣きそうになった」と「ハッピーバースデー」を大合唱し、一体感を強めた。

 本来なら3年ぶりの甲子園出場が決まっていただけに「うれしい気持ちと“甲子園があれば…”という、ちょっと複雑な思い」と輿石監督。それでも福井主将は「他人を喜ばせる方向に思いが変わった。東北大会で優勝して、自分たちは甲子園でも優勝する力があったと証明したい」と力強く宣言した。感謝を伝える物語に終わりはない。(花里 雄太)

 ▽ノースアジア大明桜 ノースアジア大の系列。07年に秋田経法大付から改称。甲子園は通算8勝(夏6勝、春2勝)で夏は89年のベスト4、春は81年のベスト8が最高成績。OBは元ソフトバンクの摂津正氏、DeNA・砂田毅樹ら。

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