オリックス 人工芝の対応に苦しむジョーンズ 本領発揮し起爆剤となれるか

[ 2020年7月23日 10:00 ]

オリックスのアダム・ジョーンズ
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 仙台へ向かう伊丹空港の出発ロビーでのこと。サングラスにマスク姿の“大男”が、こちらに愛嬌たっぷりな笑みでペコリと会釈した。オリックスに新加入したアダム・ジョーンズ外野手(34)。メジャー通算282本塁打を放つなど、これまでに積み上げた実績から近寄りがたい雰囲気を漂わせるが、その人柄は気さくで周囲を気遣う性格の持ち主だ。

 印象的な場面が今春キャンプ。17年WBC準決勝で対戦したソフトバンク千賀の印象について尋ねられたことがあった。ジョーンズは千賀に三ゴロに打ち取られたが、失策が絡み決勝点が入り日本が敗れた経緯があったからだが、ジョーンズは「いろんな国と対戦したし良い投手が、たくさんいたからね」と正直に応えた。言葉だけ取れば素っ気ないが、実際その口ぶりや真摯な態度からは、千賀に対する配慮が見て取れた。続けて、「当てられちゃうかな」と冗談交じりに話したのは、質問した報道陣へのリップサービスだった。

 千賀とは前週14日のソフトバンク戦で3年ぶりに対戦。2点を先制された直後の初回2死一塁で、ジョーンズは左前打を放ち2死一、二塁と反撃の口火。続くT―岡田が右前適時打を放ち、その後、2死満塁で若月が押し出し四球を選び、すぐに同点に追いついた。過去に何度も苦しめられた難敵相手に、強い反発力を呼び込んだ一打は価値があった。

 不安要素は守備。不慣れな人工芝の対応に苦しんでいる。今月上旬の遠征先での試合前練習の時。こちらに、ペコリとあいさつしてから険しい表情でグラウンドに向かって「ブーイング」のジェスチャーをしたことがあった。天然芝球場が多いメジャーとは異なり、パ・リーグ6球団の本拠地は楽天生命を除く5球場が人工芝。固いグラウンドは8月1日に35歳を迎えるジョーンズにとって、膝など下肢にかかる負担は甚大。打球処理も、球足の速さの違いに戸惑っている印象を受ける。

 22日時点で、全29試合に出場し打率・252、4本塁打、14打点。鳴り物入りで加入しただけに、求められる水準は高く、物足りない印象は否めない。それでも、吉田正、T―岡田、ロドリゲスと形成する中軸4人が噛み合った時の相乗効果は他球団にとって脅威。スーパースターの本領発揮が、チームの浮上に欠かせない。(記者コラム・湯澤 涼)

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