阪神・サンズ 不敗神話は継続 2戦連発5号は初の右越え

[ 2020年7月23日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-3広島 ( 2020年7月22日    甲子園 )

<神・広(4)> 8回1死、サンズは右越えに勝ち越しソロを放つ撮影・大森 寛明)
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 背番号52がスイングすれば快音が響く。サンズが、この夜も聖地を沸かせた。会心の一発が飛び出たのは1―1で迎えた8回だ。

 「甘いボールが来たら逃さず打とうと思っていたし、しっかり捉えることができた」

 1死から塹江の高めの直球を振り抜いた打球は勝ち越しの5号ソロ。自身初の右方向への一発だった。緊張感たっぷりの投手戦の中で、助っ人がまさに力づくで均衡を破った。

 序盤も存在感は示した。1点劣勢の3回1死三塁の好機で野村のツーシームを捉え右中間を深々と破る同点二塁打。「前の打者(糸原)がいい働きをしてつないでくれたから、どうにかしてランナーを還したいという気持ちで、外野まで飛ばせる球を待っていた。しっかり打ち返せた。良い結果になって良かった」と、きっちり中軸の役割を果たした。

 勢いはとどまるところを知らない。前夜も初回にバックスクリーンへ4号ソロを叩き込むなど2打数2安打2打点と躍動。右臀部(でんぶ)の張りで3試合連続で欠場したボーア不在を感じさせないほどの活躍で打線をけん引している。矢野監督も「本当に自分の打撃があるし、それができている。相手にとって嫌なバッターに間違いなくなっている。こっちとしては頼もしい打者になってくれている」と目を細めた。

 6月の練習試合では不振を極め、外国人枠の競争に敗れて開幕を2軍で迎えた。新戦力としては屈辱のスタートでも、2軍戦で打席に立ち、狂った感覚を研ぎ澄ませてきた。メジャーでの夢を断って、チャンスに飢えて韓国でもプレーした男。反骨心はずっと前から備わっている。

 ボーア、マルテを故障で欠き、期待された「MBS」は今は解体中でも「S」の存在は頼もしい限り。ヒーローにはなり損ねたが、悲観する必要はない。本塁打を放てば5戦4勝1分けで不敗神話は継続。サンズのバットが再び白星をたぐり寄せる。
(遠藤 礼)

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2020年7月23日のニュース