山梨高校野球独自大会「霧中」の開幕 濃霧で2時間中断も吉田が都留の猛追振り切る

[ 2020年7月23日 17:20 ]

2020年夏季山梨県高等学校野球大会 1回戦   吉田10―9都留 ( 2020年7月23日    富士北麓 )

高校野球・山梨・吉田―都留・濃霧で中断し、シートがかぶせられる富士北麓球場
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 開幕し、富士北麓球場では天候に左右されながら吉田が都留の猛追を振り切った。富士山の裾野にあり、標高が高い同球場は霧が良く出る球場として知られ、過去には高校野球としては珍しい濃霧ノーゲームもあった。

 この日も8回裏にスコアボードが見えなくなるほどの霧が垂れ込めた。4回途中から登板したエース左腕・山口幹太(3年)は「小学生の時からここで試合しているけれど、こんなにすごい霧は初めてだった」。

 吉田が6点リードで約2時間中断し、再開すると都留が猛反撃。山口が投じる低めの変化球を狙い打たれ、外野手が霧で打球を見失う場面もあるなど気がつけば1点差。

 さらに2死一、二塁カウント0―2の大ピンチで今度は霧に助けられた。外野の視界が悪くなり、再び中断。「ゴロを打たせようと低めに投げていたが、向こうの勢いに飲まれそうだったけれど、とにかくリラックスして整えた。低めを狙われていたので、思い切って直球で攻めようと思った」。

 再開後、四球で満塁とピンチを広げたが最後の打者を三邪飛に打ち取って試合終了。山口は「力が抜けてしまって立ってられなかった」とホッとして涙がぽろり。小雨に濃霧、2度の中断と難しい状況の中での緊張感を物語った。

 都留とは新チーム発足時に対戦しており、山口によると「その時も雨でノーゲーム。今回もなんかあるなと思っていた」。長田敏夫監督は「天候は悪かったが、絶対にコールドはない、試合は最後までやると選手に言い聞かせていた。都留の打線が本当にすごかった」と相手を称えた。

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