昨夏覇者の履正社 小深田“驚弾”で快勝発進 6球団スカウトうならせた

[ 2020年7月23日 05:30 ]

大阪大会2回戦   履正社14-1北かわち皐が丘 ( 2020年7月22日    豊中ローズ )

<履正社・北かわち皐が丘>2回1死一塁、2点本塁打を放つ小深田(撮影・後藤 正志)
Photo By スポニチ

 都道府県高野連が独自開催する代替大会は22日、8大会で計23試合が行われた。大阪では、昨夏の甲子園大会を制した履正社が今秋ドラフト候補の小深田大地内野手(3年)の2ラン本塁打などで14点を奪い5回コールド勝ちした。

 夏の始まりを告げる号砲だった。4―1の2回1死一塁。小深田が一振りで勝利への流れを引き寄せた。「入るかなと思った。よく伸びてくれました」。外角直球を逆らわずに捉えると、打球は高い弧を描き、バックスクリーン左の防球ネット上部を直撃した。先発出場した実戦では5試合連続となる高校通算34号。阪神、巨人など6球団のスカウトが視察する中で持ち味のパワーを存分に示した。

 好調維持の秘けつは意識改革だ。「打ちたい打ちたいではなく、全部ピッチャーライナーでいい」。練習から長打を狙わず、センター中心の打撃を徹底してきた。アッパースイングにならないよう素振りから「上から叩く意識」を体に染みこませている。本塁打に2二塁打で3打数3安打4打点。力だけでなく、確実性も身につけてきた。

 成長はスカウト陣にも伝わった。阪神・渡辺亮スカウトは「飛ばす能力もあるが、狙った球を一発で仕留められている」と確率の高さを評価、オリックス・谷口悦司スカウトも「高校生の中ではトップクラスの打撃力」と認めた。最も近くで成長を見守ってきた岡田龍生監督(59)も「(打席で)間が取れだしてボールと自分との距離が取れてきた」と目を細めた。

 昨夏の甲子園大会で悲願の初優勝を果たしたが小深田自身は星稜との決勝戦では無安打。甲子園に忘れ物がある。「星稜戦に向けても、しっかり準備したい」。交流試合、ドラフト…。一つずつ目標をクリアしていくため、目の前の試合に全力を尽くす。 (桜井 克也)

 ▼履正社・関本勇輔捕手(初回に決勝打となる勝ち越し犠飛も2打数無安打)マイナス200点くらい。打ちたい欲が出てしまったのは自分のメンタルコントロール不足。

続きを表示

この記事のフォト

2020年7月23日のニュース