ブルージェイズはピッツバーグも“ホーム化”できず 米ペンシルベニア州が不承認

[ 2020年7月23日 11:27 ]

巨人からブルージェイズに移籍した山口(AP)
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 米ペンシルベニア州は22日、同州ピッツバーグを拠点にしているパイレーツの「PNCパーク」を、ブルージェイズが今季の“代替本拠地”にすることを承認しなかった。

 AP通信によれば、同州保健当局のレイチェル・リーバイン医師は「州を越えて行き来する人たちを増やすことは、地域住民にとってもプロスポーツのチームにとってもリスクを高めることになる」と“不承認”となった理由を説明。前巨人の山口俊投手(33)が入団したブルージェイズは、カナダ政府にその移動の多さからトロントの本拠地「ロジャース・センター」での今季のホーム試合開催が認められず、米国に拠点を置くチームに“助け舟”を求めていたが、開幕前日になってもホーム・スタジアムが決まらないという緊急事態に追い込まれた。

 ピッツバーグを含むペンシルベニア州南西部のアレゲニー郡(人口120万人)では22日に新型コロナウイルスに96人が感染して8人が死亡。9日ぶりに新規の感染判明者は100人を下回ったが、ここ2週間の感染判明者は6月と比べると10倍に膨れ上がった。保健当局は「バーでもレストランでもソーシャル・ディスタンシングを無視しているところが多く、感染のホットスポットとなっている州(フロリダなど)から戻ってきても自主検疫をしない人が多い」と感染拡大にいたった原因を分析。パイレーツ側は受け入れを了承していたが、同州のトム・ウルフ知事(71=民主党)はこのリクエストを却下した。

 ブルージェイズはキャンプ地となっているフロリダ州ダニーデンにTDボールパーク(収容8500人)を所有しているが同州の感染拡大で対象から外れ、代替本拠地として有力視されていた3Aのバファロー・バイソンズが米ニューヨーク州バファローで使用しているサーレン・フィールド(収容1万8000人)も、照明や打撃練習場などの施設が不十分だと判断されていた。

 ブルージェイズのランドル・グリチャック投手(28)によれば、選手たちは21日に、オリオールズの本拠地「オリオールパーク」の可能性があると伝えられていたが、同球場がある米メリーランド州でもここにきて新型コロナウイルスの感染者が急増。22日には新たに600人以上の感染が明らかになり、入院患者は5日連続で増え続けている。

 パイレーツのトラビス・ウィリアムス球団社長は「前例のないケース。それゆえにウルフ知事の判断を尊重したい」とコメント。ブルージェイズのロス・アトキンスGMは「5つ以上のプランがある」としていたが、すでに3つ、ないし4つが消えた可能性が大。ブルージェイズの今季のホーム開幕戦は29日のナショナルズ戦だが、1週間以内にこの難題を解決しなければいけない事態に追い込まれた。

 なお山口は22日、マサチューセッツ州ボストンで行われたレッドソックスとのオープンに4回から登板。1イニングを投げて1安打無失点に抑え、5回も投げる予定だったが降雨で中断し、そのまま中止となった。ブルージェイズは24日にフロリダ州タンパでレイズとの今季開幕戦に臨むことになっている。

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